イラン積極介入の危険性も。ハマス・イスラエル戦争の「仲介役」ができる“唯一の国”の名前

 

怒りに任せた判断を下す兆候を見せ始めているイスラエル

今、その窮地を何とか救い出そうと働きかけを行っているのが、トルコです。トルコの担当官によると「私たちは欧州とは認められていないので欧州の方針に与しないし、同じイスラム教徒として元々アラブ諸国との連帯を重要視してきたことから独自の立場を持っている。NATOの一員ではあるが、トルコはNATOが中東問題に介入することを許さないし、どのような提案も阻止する。トルコにとっての関心事は地域の安定と和平であり、その早期実現のために力を惜しまない」とのことです。

水面下で様々な努力が続く中、イスラエルとパレスチナ双方で民間人の犠牲者がうなぎ上りに増加し、特にパレスチナ側ではインフラが完全に破壊されています。

イスラエル政府は野党との戦いを一旦停止し、元国防相で政敵のガンツ氏とも手を組み、戦時挙国一致内閣を組織し、完全にガザ、そしてハマスの壊滅に乗り出そうとしています。

ハマス側も徹底抗戦の構えを崩さず、そこにヒズボラなどが協力して、さらなる大規模攻撃をイスラエルに加えると脅しを強めています。

私が調停グループを通じて話すイスラエルの人たちはすでに血気盛んで、怒りの感情に任せて判断を下すという危険な兆候を見せ始めていますが、どこかで偶発的な衝突が起きて、周辺国と国際社会を巻き込んで戦火が拡大するような事態を避けるためには、話し合いのチャンネルをキープし、掲げた拳を下すきっかけをいかにつくることが出来るか、早急に考え行動しなくてはなりません。

ガザにいるUNRWAの元同僚が伝えてくる惨状は、日々悪化しており、UNRWAが管理する学校や病院もイスラエルによる空爆やロケット攻撃により破壊され、多くの子供たちが命を落としているとのことです。

責めを負うべきはハマスによる攻撃であるとは思いますが、同時にこのような状況にパレスチナの人々を押し込めたイスラエルの行為からも目を背けるべきではないと考えます。

そして今、世界はロシア・ウクライナの戦争と、このイスラエルとハマスの戦いに同時に対処しなくてはなりません。残念ながらどちらも解決の糸口がなかなか見つかりませんが、諦めることなく、一日も早い停戦を実現し、一日も早く日常を取り戻すお手伝いをしなくてはならないと感じています。

もしかしたら近々、直に調停の任に就かなくてはならなくなるかもしれません(コソボ問題も再燃していますし…)。その場合は、もしかしたらこのメルマガもお送り出来ないかもしれませんが、どうぞご了承ください。

以上、今週の国際情勢の裏側でした。

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