長野で有名な「牛乳パン」がソウルフードになった胸熱エピソードを知っていますか?

 

しかし、牛乳パンが、このお店の名物として有名になっていったのではなく、長野のソウルフードになっていったのはなぜでしょうか。

人気商品が生まれれば、そのお店は有名になり、やがて老舗として知られるようになります。

「長野のあのお店には牛乳パンが……」となるところですが、いまは「長野県の牛乳パン」です。

それは、このお店の社長の意志なのです。

「こんなに美味しいものは、作り方をみんなに教えて、もっと広めるべきだ」。

そう考えた社長は、牛乳パンの講習会を開いたのです。

オリジナルの商品を生み出して、大きな儲けに繋げることは、商売人の醍醐味でもあり、やりがいでもあります。

しかし、地域の同業者みんなに教え、地域全体で繁栄していこうとするのも、商売人の心意気だとも言えます。

この牛乳パンは、乳白色のパッケージに、青色で描かれた、シャツに半ズボンの男の子のイラストが入っているものが多くあります。

このイラストは、「若増製パン」に倣って牛乳パンを作り始めた「かねまるパン店」が、最初に使ったものです。

現店主の幼少期の姿を母親がスケッチした絵で、ほのぼのとした優しいタッチが、人びとにウケたようです。

この絵もまた、商標登録などせずに、誰が使っても良いこととしました。

牛乳パンと言えば、この男の子のイラストが浮かぶほど、たくさんのお店で使っています。

パンもパッケージも、それぞれのお店でひと手間を加え、オリジナルの牛乳パンとなっています。

偶然生まれた牛乳パンが、長野県のソウルフードになるまでには、いろんな人の「みんなのために」という想いがあったことは間違いありません。

自分の儲けより、みんなの繁栄。

これが、地域おこしにも繋がっているのです。

image by: Shutterstock.com

佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント)この著者の記事一覧

なぜ、人はモノを買いたくなるのか。欲しいという感情は、どこから生まれるのか。消費行動における人の心理を知れば、売れるモノが見えてくる。売り方がわかる。小手先のテクニックなど、いらない。人を研究すれば、やるべきことはすべてわかる。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座 』

【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

print
いま読まれてます

  • 長野で有名な「牛乳パン」がソウルフードになった胸熱エピソードを知っていますか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け