英誌『エコノミスト』が特集するほどの“偏向”ぶり。なぜ大半の米マスコミは「反トランプ」で信用を落としているのか?

 

解説

調査は政治課題をどの単語で表現するかという統計をとって行われました。

たとえば、メキシコ国境から国境検問所をとおらずに入ってくる人々を共和党(トランプ側)は不法移民(Illegal Immigrant)と呼びます。

民主党(バイデン側)は「滞在許可証をもたない移民(Undocumented Immigrant)」と呼びます。

語感が全く違います。

マスコミがどちらの言葉を多く使うかを統計的に処理することで、民主党寄りか共和党寄りかを判断できるのです。

このエコノミスト調査では、米国の大手マスメディアのほとんどは民主党寄りであるという結論です。

こういったマスコミの偏向した報道に強い反発をもつ米国人が多数います。

私もその一人です。

最初、2016年の大統領選前は「トランプが大統領候補? 悪い冗談でしょう?」と思っていました。

しかし著書や発言のオリジナルを読んで支持する人の気持ちがわかりました。そこに真っ当な論理があると感じたからです。

  • 合法移民はよい。しかし不法移民を許してはダメだ。国を亡ぼす
  • 不法入国しようとして捕まったら「難民申請します」なんていう人々を保護してはダメだ
  • 難民申請するなら最初から国境検問所にきてすべきだ
  • ニューヨークやシカゴ、サンフランシスコなど不法移民を保護するような施策をとっているサンクチュアリシティ(聖域都市)はダメだ。法と秩序こそが国の基幹だからだ

これらの主張、私には当然に思えます。

しかし、マスコミは「トランプは人種差別主義者であり、すべての移民を追放したがっている」かのような報道をしていました。

彼が「不法移民だけ」を問題にしているにもかかわらずです。

さらに「トランプはポピュリスト(人気狙いの政治家)である、貧乏な白人アメリカ人を操っている」という報道もありました。

私はインタビューに答えるトランプを何回かみましたが、彼に「人気を得たい」という意図を全く感じませんでした。

ただ米国の穴だらけの国境政策に本気で怒っているという事だけはわかりました。ブスっとして怒りをぶちまけていたからです。

当たり前です。

彼はNYにたくさんの土地をもっています。不法移民を呼び込むような政策をされたら、ますます治安が悪化し土地の値段が下がってしまいます。

選挙民の意向がどうであれ、彼は不法移民に反対していたでしょう。

バカなほど首尾一貫した主張です。選挙民に受けそうに主張を変えていくポピュリストとは正反対です。

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