バイデン対トランプという史上最悪の「悪魔の選択」
4年に一度の米大統領選は、1月15日の共和党アイオワ州予備選、2月3日の民主党はサウスカロライナ州予備選を皮切りに始まり、3月5日には十数州で一斉に予備選が行われる「スーパーチューズデー」で最初の山場を迎える。7月に共和党大会、8月に民主党大会が開かれて候補者が確定、9月から候補者TV討論対決など選
挙戦本番に入る。11月5日投開票、25年1月20日に新大統領が就任するという流れとなる。
今のところ、現職ジョー・バイデンと元職ドナルド・トランプがそれぞれ再選を賭けて対決するという形になる公算大で、これは米国民にとってはもちろん全世界にとっても「悪魔の選択」となる。バイデンは、あらゆる所作から見てすでに緩やかな認知障害の過程に入っており、それに加えて「長男はイラクで戦死した」という事実とかけ離れた発言を何度も繰り返すなど、一時的な意識陥没に陥る傾向を見せていて、客観的に見てすでにその職に相応しくない。「長男はイラクで戦死した」という発言は、昨年5月18日、翌日からの広島サミットに出席するため岩国米海兵隊航空基地にエアフォース・ワンで降り立った際、出迎えた米兵たちを前にしての非公式のスピーチの中で飛び出したもので、米メディアによると実は22年以来これが3回目であると言う。
それがイラクで戦死したことになってしまうのは、単なる言い間違いではあり得ず、一時的に意識が陥没してそこにパコッと別の虚偽の物語が嵌まり込むという症状が繰り返されていることを示唆している。
他方、トランプは前回20年の選挙で勝利したのは自分だという幻覚に浸り切っていて、バイデンによって不当に奪われた地位を奪還して報復することにしか関心がないという病的な心理状態にある。91件とも94件とも言われる自らに降りかかっている訴訟をチャブ台返し的にひっくり返すこともその報復の一部で、そのために少なくとも「大統領に就任した初日は独裁者になる」と予告しているが、大量の刑事起訴を取り下げさせるのは容易なことではなく、それだけで4年間が費やされるだろうと見られている。
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