浦沢直樹『プルートゥ』は本当につまらなかった
最近は、わしはペン入れの時にはネットフリックスでアニメを流しっぱなしにしている。
しかし、これには当たり外れがあって、この前に見た『プルートゥ』は本当につまらなかった。
これは手塚治虫の『鉄腕アトム・地上最大のロボット』を基に浦沢直樹が描いた漫画をアニメ化したものだが、ド退屈で、我慢して最後まで見たが、がっかりして終わってしまった。
特に、あのアトムは何だったんだ? 完全にそこらへんの子供と変わらない風体で、面白くもなんともない。 アトムが出てきた意味がどこにあるのか全くわからない代物だった。
結局のところ、ロボットが人間の意思を持つという作品は楳図かずおの『わたしは真悟』が最高傑作であり、このテーマはこれで完結している。
全く人間の形をしていない工業用ロボットが人間の意思を持つという、楳図かずおの発想は超絶凄いものだった。 あの姿じゃないと、機械が人間の意思を持つという怖さというものは描けないのである。
ところが浦沢直樹だと、ひたすら人間の姿に近づけていけば、人間になるという発想でしかなく、無茶苦茶薄っぺらいし、怖くもない。 退屈なだけだ。
その差を、誰もわかっていない。 やっぱり哲学が薄かったら、全然面白くはならないのである――(メルマガ『小林よしのりライジング』2024年1月9日号より一部抜粋・敬称略。『はじめの一歩』やYOASOBI『アイドル』評も含むこの続きや、泉美木蘭氏のコラム「へんなミニ政党がなぜこんなに増えたのか?」など、メルマガ全文はご登録の上お楽しみください)
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