【発達課題】
米国の心理学者エリクソン(Erik Homburger Erikson 1902-1994)は、人間の成長(発達)の段階を8つに分類しました。
それは、
- 「乳児期」(出生から1年未満)
- 「幼児期初期」(1歳から3歳未満)
- 「幼児期後期」(3歳から6歳未満)
- 「学童期」(6歳から13歳頃)
- 「青年期」(13歳から22歳頃)
- 「成人期」(22歳から40歳頃)
- 「壮年期」(40歳から65歳頃)
- 「老年期」(65歳以上)
という構成になっており、それぞれの発達期には、成長のために達成しなければならない「心理的課題」が存在するとエリクソンは言います。
たとえば、生まれたばかりの「乳児期」であれば、自分の面倒をみてくれる母親や家族に対する「信頼」の気持ちを確立する必要があり、これがその後の人間関係の基礎になります。
同様に、幼児期には「自律性」と「積極性」を、さらに学童期には「勤勉性」を身に付ける必要があります。
そして、青年期の課題は、「アイデンティティー(自我同一性)」の確立です。
つまり、自分とは何者かということを自覚し、将来いかなる存在になりたいかという意思を確立することが課題なのです。
22歳以降(現代では青年期が延長され、26~7歳以降?)の「成人期」は、職場や家庭で具体的な役割を担う時期であり、仕事仲間とのチームワークや、家庭でのパートナーとの親しい関係を築く必要が生じます。
仕事仲間ともパートナーとも信頼しあえる「親密性」を築くことがこの時期の心理的課題になります。
そしてアラフォーも過ぎ、いよいよ「壮年期」に入ると、人は自分がこれまで身に付けて来た職業上の、あるいは家庭生活に必要な「知識」や「技術」を「次の世代」に伝達し彼らの成長を援けるという「課題」を与えられます。
エリクソンはこれを「世代性」と呼びました。
人生の仕上げの時期である「老年期」においては、「死」が身近に迫ります。
「死」は、ある意味で、自分自身という「個」の存在と「世界」「宇宙」の「統合」です。
死を「受け入れる」ためには、自分自身のこれまでの人生を総括して、その「意味」を悟り、まずはそれらを「受け入れる」必要があります。
この心理的課題をエリクソンは「自我の統合性」と呼びました。
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