「新しいものに抵抗がある人」へどうやったらアイデアを売り込めるのか?

 

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

針の穴を通すような精度で弾丸が遠くまで飛んでいけるのは、逆向きに作用する主要な抵抗ーー抗力ーーが小さくなるように弾丸が最適化されているからだ

火薬の量を増やせば弾丸が銃身から飛び出す速度は上がる。だが、速度が上がれば弾丸を押し返す抗力も大きくなる

弾丸も飛行機も高速列車も、すべて同じように「鼻」が先細になっている

イノベーターたちは魅力を高めるための「燃料」ばかりに注意を向け、方程式のもう半分ーー自分たちが生み出そうとしている変化に逆らう「抵抗」をなおざりにしている

ビーチハウスの顧客の場合、新しいソファの購入を阻んでいたものーー物語の悪役ーーは、(驚くなかれ……)自宅にあるソファだったのである。買い物客の行く手に立ちはだかっていた「抵抗」は、古いソファをどうすればいいか分からないことだった

ひな形を提供すると、求めに応じてくれる人の割合は60%上昇した(中略)何を書いたらいいかが分からなかったから書きしぶったのだ

人は変化より不変を、未知より既知を好む

慣れるにつれて、「抵抗」は和らいでいく。それなのに、私たちは新しいアイデアを初めて発表したそのときに、それに対する意思決定を求めがち

影響を与えるための鉄則の1つは、「選択肢を1つだけにしない」ことだ。というのも、選択肢が1つしかないと、人は無意識のうちに新しいものと馴染みのあるものとを比較するからだ

理想的な選択肢は常に前面に押し出すべき

欠陥のある選択肢に光を当てることで、最終的に選ばれる製品の感覚的な価値を高める

起業に要する「労力」は国によってかなりばらつきがある

「感情面の抵抗」に効く一般的な治療薬

・「お試し」ができるようにする

・決めたことを簡単に覆せるようにする

・サービス込みにする

マーケティングの心理テクニックとして、人口に膾炙したものも含まれていますが、「抵抗」をなくすという視点で書かれた本は珍しいと思います。

どんなにメリットを提示しても買ってもらえない、動いてもらえないという場合には、ぜひ本書のノウハウを試してみてください。

これは「使える」一冊です。

image by: Shutterstock.com

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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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