「素人のカモが集まれば、上空でハゲタカが舞い始めるのは株式市場でお馴染みの光景だ――」メルマガ『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』の著者で作家の鈴木傾城氏が、きたる“人為的バブル相場”の傾向と対策、生き残りの方法を解説する。16日の日経平均株価は3万8487円で取引を終了。年初からの上昇幅は5000円を超え、1989年12月末につけた史上最高値の3万8915円87銭(終値ベース)を射程に捉えた。仕手化する個別銘柄も含めて「青天井相場」への期待感が高まっているが果たしてどうなるか?
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。
株式市場に「バブル本番前夜」の臭い
今、まさに日本では「新NISA」が始まって投資が政府やマスコミや無責任インフルエンサーによって煽られているところなので、多くの素人投資家がカモとして株式市場にやってきている。
今まで日本では国民の約8割が投資をせず、約2100兆円が貯蓄に回されているのだが、これが株式市場にやってくるのであれば、株式市場には大きなインパクトになる。
加えて、日本でも物価上昇の波がやってきて企業は名目売上が上がるので決算は良いものになりやすい。その結果、株式市場も上がりやすい。
さらに、中国は不動産バブルが崩壊しつつあり、株式市場も下落に次ぐ下落で中国政府も手に負えない状況になってしまった。
そこで中国人の投資家もまたキャピタルフライトを起こして日本の株式市場にやってきている。
アメリカはアメリカで、S&P500が過去最高値を付ける状況なってきており、AI(人工知能)のバブルが醸成されつつある。
こうしたところにも個人投資家が砂糖に群がるアリのように集まっている。
素人のカモが集まるところには上空でハゲタカが舞い始めるのは株式市場お馴染みの姿であり、ヘッジファンドもバブルを巧みに煽って素人投資家を投資させるだけ投資させて、一気に引き抜いて利幅の儲けを取り、さらにショートにも賭けてカモの資金を根こそぎ収奪していくだろう。
結局、カモにされた個人は、政府・マスコミ・インフルエンサーが煽ったバブルで資金の大半を失って投資前よりも貧しくなる。日本人の大半がこれに踊らされるというのであれば、日本の国富が消えてなくなるということもあり得る。日本が先進国でなくなる。
しかし、言うまでもないがバブルは何も持たない人間が濡れ手に粟でカネを儲けるチャンスでもあり、市場をうまく出し抜けるのであれば、思っても見なかったイージーマネー(あぶく銭)を手に入れられる。
バブルの誘惑は思ったよりも甘く強い。そうなった場合、どうしたらいいのか腹を決めておいたほうがいいかもしれない。
この記事の著者・鈴木傾城さんのメルマガ