バブルが作られてもおかしくないと私は思っている
バブルに乗るというのは、どういうことか。それは、バブル化している個別株を買うということである。
バブル化しているのだから、乗ったら一瞬で儲かる。そして現物で買うのではなく、信用やレバレッジを効かせればもっと儲かる。バブルの熱狂が発生すると、そういう人は珍しくも何ともなくなる。
かつて1980年代後半の日本株のバブルのときも、持っている資産すべてで信用取引でひとつの株式に思いっきり全振りした個人もいたのを私は覚えている。彼らの少なからずは、そうやって一気に億単位のイージーマネーを手に入れた。そして、時代の寵児になっていった。
そういう無謀なトレードで大金持ちを輩出するのがバブルである。
マスコミもそういう人を取り上げて「こういう手法で儲かった」とか「こういう銘柄で儲かった」とか解説してもらって雑誌に載せるのだが、そうするとその雑誌が飛ぶように売れる。テレビも、一気に成金になった投資家を取り上げて、彼らの贅沢三昧を報じる。
そうすると、熱気がさらに加速して、カモがどんどん株式市場にやってくる。それがバブルである。今はまだバブルというには熱狂が足りないが、そういう「バブルの芽」が、醸成されつつあるのは感じ取れる。
もちろん、このままバブルになるのか、バブルになる前に萎むのか、平常運転のまま進むのか、そんなことは誰にもわからない。
しかし、日本政府がはじめた新NISAによって、投資の「と」も知らない素人がカネを持って株式市場にやってきている。金融マフィアにとっては「投資を煽って素人を太らせてから最後に料理する」絶好の機会になっているのだ。そうであれば、バブルが作られてもおかしくないと私は思っている。
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