プーチン大統領の孤立解消を「後押し」するアメリカ
対ウクライナ戦争(特別軍事作戦)が長期化し、欧米からの支援にもかかわらず、ウクライナに対してロシアが有利な状況に置かれ始めたことと、「ロシアを除外するか、自らが除外されるか」という二分論で対ロ包囲網への参加と、制裁の遵守を迫る欧米諸国とその仲間たちに対する嫌気を明言する国々が増えてきたこと、そしてその欧米がウクライナに対する支援疲れを明らかにし、ウクライナを見捨てる動きを強める状況に危機感を感じて、ロシアとの関係修復と強化に入る国々が増えてきています。
その結果、ロシアが発するウクライナ黒幕説が、次第に拡張されて、いつの間にか信憑性を増し、各国のウクライナ離れを引き起こしているという分析も出てくる始末です。
いろいろな批判や憶測が飛ばされる中、中・北朝鮮、イラン、キューバ、ベネズエラをはじめ、グローバルサウスの主であるインドやブラジル、南アをはじめとするアフリカ諸国や中東諸国も挙ってプーチン大統領の再選を祝い、2030年まで続くプーチン大統領の統治に対する支持を表明しています。
こうすることでロシア優位な状況でロシア・ウクライナ戦争が終焉した暁には、復興事業を始めとする様々な分野での利益の拡大を見返りとして得ようという魂胆が見え隠れします。
まさに実利主義のグローバルサウスの国々の決定方針に沿う動きが起きているものと思われます。
そしてそのロシアへの接近とプーチン大統領の孤立の解消を後押ししているのが、皮肉にもイスラエルによる頑ななまでのガザ侵攻とハマス壊滅へのこだわりと、明らかなダブルスタンダードを自らに適用してイスラエルを守っても、ネタニエフ首相を説得しきれないアメリカの限界だと言えるかもしれません。
そのネタニエフ首相は、友達が返ってきたプーチン大統領のケースとは異なり、次第に孤立を深めています――(メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』2024年3月29日号より一部抜粋。続きをお読みになりたい方は初月無料のお試し購読をご登録の上、3月分のバックナンバーをお求め下さい)
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