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なぜ大谷翔平選手“擁護”は「気持ち悪い」のか?疑惑は新たなステージへ…海外からの批判を直視できぬニッポンの悪癖

日本時間4日、対ジャイアンツ戦で今季41打席目にしてようやく初ホーマーを放つも、未だ波に乗り切れていないドジャースの大谷翔平選手29)。その一因として元通訳・水原一平氏39)との間の違法賭博をめぐる金銭トラブルが上げられているが、ここに来て“疑惑は新たなステージに入りつつある。大谷の金銭管理について米メディアから質問を受けた所属事務所が、「別の会計事務所が担当している」と回答したのだ。4日、東スポWEBが報じた。

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「『なんだ東スポか』と笑い飛ばすような人が多いかもしれませんが、大谷選手にとって不利に働くかもしれない極めて重要な情報です」

こう話すのは50代の男性ライターだ。一体どういうことなのだろうか。

「会計事務所が大谷選手の資金を管理していたとなれば、口座から送金する際は大谷本人の依頼、もしくは何かしら特別な権限を使い本人が直接口座のサイトにアクセスするということになるはずです。つまり水原さんが大谷選手名義の口座から勝手に送金することは不可能ということですよね。よって大谷選手の『水原氏が自分の口座からお金を盗んだ』という声明はウソということになります」

男性ライターの話す内容はもっともで、仮に会計事務所が管理する口座から水原氏がカネを違法賭博のブックメーカーに自力で送金していたとなれば、そのスキルはスーパーハッカー並みということになってしまう。

水原氏のみならず大谷にも向けられているアメリカ国民の疑惑の目

日本のみならず米国内でも大きな注目を集めている今回の騒動。疑惑の目は水原氏だけでなく大谷にも向けられている。そしてそれは決して特別なことではなく、アメリカではごくごく普通の反応であり、「大谷は有罪」と見ている著名人もいるという。たとえばニューズウィーク日本版。

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「米国で最も優秀な大学教授」の一人とされるポトリッキオ氏(ジョージタウン大学)は上掲コラムの中で、「野球選手として相手の隙を見逃さない大谷が、身近な人間から知らないうちにお金を盗まれることがあり得るのだろうか」と大谷に懐疑的な目を向け、アメリカの有名コメンテーターが心の底で大谷を有罪と信じている理由として、「大谷の代理人が被害届の提出先について回答を拒んでいる」ことを挙げている。

日本のマスコミが絶賛した大谷の会見だが、実のところ重要なことはほとんど何も説明されていない。自身への疑惑を否定するためには、少なくとも以下の点について、あらためて明らかにする必要があるのではないか。

上掲の記事には、「アメリカ人の多くは大谷の釈明に満足していない」との記述もある。疑惑払拭のためにはやはりあらためて本人が会見に応じる必要があるようだ。

なぜ“大谷擁護”は「気持ち悪い」のか?

このような状況にある中、「大谷 擁護」でX(旧Twitter)を検索してみると、以下のような意見が多数見られる。

<大谷を無条件に擁護してる人が多すぎて気持ち悪い>

<大谷擁護派が虫のように湧いてくるけど見てるともう無理!って感じ>

<みんなそろって大谷擁護してるね必死だね>

「気持ち悪い」に「無理」に「必死」…。何がこのような嫌悪感を引き起こしているのだろうか。40代の男性ネットメディア編集デスクに聞いた。

「我々ネットメディアの責任も問われてしまいそうですが、日本国内では大谷選手を叩けない圧力的なものが存在するのは確かです。そんな報じ方に違和感を持つネットユーザーもかなりの数がいる、ということでしょうね」

やはり大谷をめぐる日米の“報道格差”は大きいようだ。ちなみに弊サイトでは、米国内での大谷への厳しい見方を騒動初期からお伝えしてきている。3月22日公開の記事では、米国のネットユーザーの間に囁かれる“水原氏が違法賭博に手を染めた大谷の身代わりになった”という見方を紹介。

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26日の大谷の会見後に公開したこちらの記事では、“400万ドルも送金されたことを気づかない不自然さ”を指摘する多くのアメリカ人の声も伝えている。

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さらに28日公開の記事では、“どの捜査機関に被害報告を行ったかについてコメントを避けている大谷サイドをいぶかるアメリカ人の素朴にして大いなる疑問”を取り上げた。

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もちろん大谷に対して厳しい目を向けるメルマガ配信者も存在し、『上杉隆の「ニッポンの問題点」』を執筆するジャーナリストの上杉隆氏(55)もそのひとりだ。その指摘は「大谷選手の資金管理は、米国エリート層には犯罪的にすら映っている」とまさに激辛だ。

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これらの記事には、

<似たような視点を持ってる人がいた!>

<やっぱりね。こういうことだよね>

<必読に値する記事だと思います>

という同意の声が多く寄せられた一方で、

<こういう記事書くやつってクソ野郎なんだろうな>

<憶測でいろいろ言うなよくずメディアが>

<大谷さんの名前使った逆張り報道する品の悪さ>

いった感情的な反発の声もあったのも事実だ。

「そういった方々は、一部を除く国内マスコミ、とりわけテレビのワイドショーが必死になっている“大谷本人の疑惑打ち消し”報道ばかりに引っ張られているという面もあるでしょうね。それこそ日本のメディアは“大谷選手をヨイショしなければ死んでしまう病”に罹患しているのでは、なんて思ってしまいますが、そんな病気が日本中に伝染しているのかもしれません」(前出のネットメディア編集デスク)

大谷擁護バイアスは民放に限ったわけではなくNHKも同様のようだ。3月30日に公開された記事「違法賭博問題 検事“送金は扱う犯罪に該当せず”米メディア」に関して、1日にこのような「おことわり」を発表している。

検事が大谷選手の弁護士にブックメーカー側への送金は連邦捜査機関が扱う犯罪に該当しないという見解を示したとお伝えしました。

 

しかし、これは、別の事件で捜査対象になった元ドジャースの選手の弁護士に伝えた内容で、犯罪に該当しないという見解は大谷選手ではなく、元ドジャースの選手が対象でした。

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大谷擁護に血道を上げるばかりに行ってしまった確認不足の“大本営発表”を、ひっそりと訂正した形だ。

国内メディアや一部ファンたちの気持ち悪い大谷擁護

では具体的に、国内メディアや一部のファンたちは具体的にどのような「大谷擁護」を展開しているのか。民放ワイドショーの制作経験もある50代のテレビ関係者に聞いた。

「例えば多くのアメリカ人が納得が行かないという大谷選手の会見ですが、国際弁護士の清原博さん(53)はテレ朝系の『羽鳥慎一モーニングショー』で、『ファンの目には完全にシロというふうに見える会見』とコメントしています。擁護的な発言だなと思ってしまいました。確か落語家の立川志らくさん(60)もラジオで結構な発言をしていたはずです」

その情報を元に弊サイト編集部が調べてみたところ、こちらの記事がヒットした。水原氏がどのようにして送金したのかを大谷本人に聞きたいとしたコメンテーターを俎上に上げ、

被害者である大谷にそれを言わせようとしてるってことは、「お前もきっと共犯なんだろ?」ってことが言いたいだけなんだよね

と話したという。この発言は“大谷批判する人間を批判する”という空気の醸成につながるものではないか。

前出のテレビ関係者は次のような例も上げる。

「例えば『現地ファンの声を聞いた』とロスあたりで取材してるテレビ局もありますが、かなりの高確率で日本人ファンが登場しています。だったら国内ロケで良いんじゃないかと。外国人ファンの声も紹介されますが、批判的なコメントが放送されたことは聞いたことがありません」

ネット上はどうなのか。前出のネットメディア編集デスクに情報提供を求めた。

「ようやく移籍第1号がでましたが、それまでは『ホームランが出ないのはスロースターターだから問題ない』というポストが数え切れないほどありました。チャンスで打てなく不調でも、『打球速度は一番だから大丈夫』というなにかの受け売りのような擁護書き込みもありましたね」

そんなネットメディア編集デスクが一番驚いたのが、「米国での大谷批判は、アジア人や日本人への差別意識が根底にあるのだ」という唐突にポリコレ棒をかざすような投稿だったという。コロナ禍でのアジア系に対する差別や暴力事件など、確かにアメリカ人が持つ“差別意識”を否定することはできない。しかしそれとこれとは別問題だ。なぜなら今回に関して言えば、大谷が疑惑の矛盾点や核心部分について、何一つ説明をしていないことが原因となっている点に尽きるからである。

大谷擁護派と“松本人志信者”に共通しているもの

かような大谷擁護に余念のない“大谷信者”だが、冒頭の“新事実”が発覚し「水原氏が窃盗」という声明が大きく揺らぐことになっても、「大谷は悪くない!」と声高に主張し続けるのだろうか。松本人志(60)のウルトラ擁護を続ける“松ちゃん信者”のように。

メルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』を発行する京都大学大学院教授の藤井聡氏(55)は3月31日配信号で、松本が25日投稿した「人を笑わせることを志してきました」から始まる「自分は性加害などしていない」と訴えるかのようなポストに対する反応について、

驚いたのはこれに対して、松本氏の「自分は無実だ」という主張が正しいという前提で「頑張れ、松ちゃん!!」っていう趣旨のコメントが何十万件も付けられている、という点。

と指摘。さらに真実についての確信がない状態で“全力で弁護”することは、「常識」や「良識」や「理性」、あるいは最低限の「法的精神」が欠如しているとバッサリ切っている。

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大谷から納得の行く説明もなされておらず、“完全潔白”が証明されていないこの段階で彼を擁護する方向にすべてを傾けるのは、藤井教授が言う“さまざまなもの”が欠如していることを自らアピールすることに他ならない行為なのかもしれない。

X(旧Twitter)の反応





※本記事内のツイートにつきましては、X(旧Twitter)のツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

image by: Los Angeles Dodgers(@Dodgers)公式X(旧Twitter)

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