大谷翔平、声明発表も「限りなく黒に近い灰色」印象払拭できず。「普通400万ドルも送金されたら気づくだろ?」アメリカで“疑惑”がくすぶり続けるワケ

2024.03.26
by kousei_saho
otani_ippei
 

弊サイトでも既報のとおり、日米社会を大きく揺さぶり続けているドジャース大谷翔平選手29)の通訳・水原一平氏39)を巡る違法賭博疑惑

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日本時間26日朝6時45分、沈黙を保っていた渦中の大谷が記者団の前に姿を表し声明を発表した。

大谷は冒頭、「信頼していた方水原氏の過ちは悲しいというかショック」とし、自分自身、あるいは誰かの代わりや他人に頼んで何かに賭けたりしたことも、ブックメーカーに対して送金したこともそれを依頼したことも一切ないと賭博への関連を全否定。その上で、「結論から言うと、彼(水原氏)が僕の口座からお金を盗んで、なおかつまわりの皆に嘘をついていた」と断言した。

また大谷が水原氏の違法賭博問題を知ったのは20日に韓国で行われたメジャーリーグベースボール(MLB)開幕戦終了後のチームミーティングの席だったと明かし、ホテルに戻った後、水原氏からの告白で、彼が巨額の借金を抱えていたこと、そして大谷の口座に勝手にアクセスしてブックメーカーに送金した事実を把握したと話した。

大谷はすぐさまその場に代理人を呼んで話し合ったところ、水原氏は代理人にも嘘をついていたことが発覚(編集部注:水原氏は大谷の代理人にその数日前、自身の借金について大谷に相談し、大谷の承諾を得て大谷名義の口座からブックメーカーに450万ドル約6億8,000万円を送金したと語ったと伝えられている)。大谷らからの連絡を受け、その一部始終を知った弁護士は、水原氏の行為は窃盗と詐欺に当たるため、警察当局に引き渡すと話したという。

「これがそれまでの流れなので、僕はもちろんスポーツ賭博には関与していないですし、ブックメーカーに、さっき言いましたけど送金をしていたという事実はまったく、えー、ありません」と重ねて否定した。

とはいえ精神的憔悴は隠すことはできず、ため息交じりに「正直ショックという…言葉、がまあ、正しいとは思わないですし、それ以上のこう、言葉では表せないような感覚でこの1週間ぐらいは、ずっと過ごしてきたので、今はそれを言葉にするのは難しいなと思っています」と途切れ途切れの口調で語っていたのが印象的だった。

「大谷が借金を立て替え」から「大谷は何も知らない」に変わった謎

この問題を巡っては、大谷サイド及び球団が沈黙を貫いていたこともあり数々の疑問が浮上していたが、今回の声明でそれらは本当に払拭できたのだろうか。まず第1の疑問点を上げるのは、スポーツ紙記者とも親交のある50代の男性ライターだ。

「19日にアメリカのスポーツ専門局『ESPN』のインタビューを受けた水原氏は、『大谷選手が借金を立て替えてくれた』としていたのですが、翌日になって『大谷選手はギャンブルでの借金については何も知らず、胴元への送金もおこなっていない』と発言を翻したことが大きな話題となりましたよね。自分は、この背景が知りたくて声明をリアルタイムで見ていました」

これについて大谷は次のように語っている。

「(水原氏は)代理人に対しても、僕はすでに彼と話して、コミュニケーションを取っていたって嘘をついていました」

「チームにも、代理の人たちにも、僕とコミュニケーションを取っていたというふうに、嘘をついていました」

つまりは球団関係者も大谷サイドも、全員が水原氏に嘘をつかれていたというわけだ。

「二転三転していたのは水原さんの“嘘”だったということで、大谷選手の声明に矛盾はないと感じました。すべての話が大谷本人のあずかり知らないところで進行していたわけで、球団と大谷さんサイドはそれをきちんと訂正したまで、ということになります」

大谷は水原氏の“何らかの異変”に気づかなかったのか

さらに男性ライターが注目していたのは、大谷が“ギャンブル問題”を認識した時期だという。これについて大谷は、上述のように「韓国で行われたMLB開幕戦終了後のチームミーティングの席」だったとしている。声明の言を引こう。

「僕がこのギャンブルに関しての問題を初めて知ったのは、韓国での第一戦が終わった後に行われたチームミーティングのときです」

「一平さんがその時、ミーティングの時にギャンブル依存症だっていうのはもちろん僕は知らなかったですし、彼が借金をしていることもその時は知りませんでした」

「彼の借金返済にももちろん同意してませんし、ブックメーカーに対して彼に送金をしてくれって頼んだことも、許可したことももちろんないです」

「試合後、ホテルに戻って一平さんと初めて話をして、彼に巨額の借金があることをその時知りました」

水原氏のギャンブル依存症については20日に初めて知ったとしたのだが、これを男性ライターはどう聞いたのか。

「ギャンブル依存症はともかくとして、大谷選手が水原さんの“何らかの異変”にまったく気づかなかったというのは不自然ではないかと思うんですよね。公私に渡ってあれだけ行動を共にしていたわけですから」

確かに頷ける指摘ではある。

水原氏はいかにして大谷の口座から巨額の金を送金したのか

もうひとつの大きな疑問は、水原氏がどのようにして大谷の口座から巨額な金額を送金したのかという点だ。大谷はこう言う。

「彼はその時、僕の口座に勝手にアクセスして、ブックメーカーに送金していたということを僕に伝えました」

巨額送金は水原氏の独断であり、それを大谷は一切把握していなかったと説明した。しかしこれについては金融事情に詳しい40代の男性ネットメディア編集デスクが以下のようにいぶかる。

「アメリカはマネーロンダリング対策等で日本以上に厳格な本人認証が行われるはずです。そんな環境下で水原さんがどのように大谷選手の銀行口座のセキュリティを突破し、しかも複数回に渡って独力で送金していたのかについてはまったく触れられていません。説明として不十分です」

ESPNの記事によれば、少なくとも23年の9月と10月の2回、大谷の口座からブックメーカーに50万ドルが送金されているのは動かせない事実のようだ。大谷サイドからこの件について今後、納得の行く説明はなされるのだろうか。

「質疑応答なし」のスタイル

今回の「声明」は、質疑応答なしのスタイルで行われたが、その理由を大谷はこのように述べている。

「現在進行中の調査もありますので、今日話せることに、まず限りがあるというのをご理解いただきたいなと」

そう断った上で、大谷が読み上げる声明を臨時通訳が翻訳する形で進められた。これについて前出のネットメディア編集デスクは、

「不十分な説明に対して多くの質問が予想される中にあって、それらにはまったく答えないという姿勢です。係争中の事案に関して迂闊な発言は控えるという点では一定の理解が得られるとは思います」

とする。しかしその一方で、

「大谷サイドに、自身の主張、例えば『一切の賭け事に関わったことはなく、他人に頼んでブックメーカーに送金をしたこともない』『水原氏が違法賭博をしていたことも知らなかった』『水原氏が自分の口座からお金を盗み、かつ皆に嘘をついていた』といったことを裏付ける決定的、もしくは客観的な証拠はないとも理解できます」

もしもあるのならば、今回の声明の場で提示できるだろうという指摘だ。

「そういった面も含めて、この疑惑の早期決着は難しく、泥沼化は避けられないと思わざるを得ません」(同前)

日米のファンは大谷の声明をどう受け止めたか

ではこの大谷の声明を、ファンはどのように受け止めたのか。SNS上にはさまざまなポストが投稿されている。

《今話せることをきちんと話した。今の大谷にこれ以上の何を求めるのか》

《大谷らしい誠実さがにじみ出た声明だったと思うけどな》

《信頼する人に裏切られてつらい思いをしている大谷さん、よく話してくれた》

《野球以外のことでさらされるのは嫌だろうけど、責任は果たしたと思う》

《「彼」と「一平さん」が混じってたのがなぜだかとても切なかった》

しかしながら、否定的に捉えたネットユーザーも少なくなかったようだ。

《まったく知らなかったっでのは無理あるんじゃないか?弁護士の指示通りなのかもしれないけど》

《この声明はどうなんだろうか。自己弁護って受け取られてもおかしくないよな》

《そもそもどうやって一平が大谷の口座から振込できたんだよ。それ説明してくれないと全部が嘘に聞こえる》

大谷名義の口座から巨額の金がブックメーカーに送金された謎については、海外ファンからも辛辣な声が上がっている。

《自分の口座から400万ドル以上が消えても気づかないとは、オオタニは自分がバカだと言いたいのか?》

《イッペイはどうやってオオタニの口座から大金を盗み出したというのだ。息子は私と同じ名前だが、彼でさえ私の口座からカネを盗むことは不可能だというのに》

《オオタニの銀行口座にアクセスして数百万ドルをブックメーカーに送るスキルを持っている。つまりイッペイはスーパーマンだったというわけか》

中にはこんなポストも。

《実はイッペイは私の口座からもお金を盗んだんだ。返してもらわないと》

冗談はともかくとして、今回の声明を好意的に捉えた日本人ファンは多い。これを40代のマスコミ関係者は、「信頼していた方の過ちは悲しいというかショック」「言葉では表せないような感覚でこの1週間ぐらいは、ずっと過ごしてきた」という大谷の“語り”が大きかったのではと見る。

「『自分は大谷が好きだから大谷を信じる』という感じのウェットなポストが多かったのは、大谷選手のあのような言葉が国内ファンの“信仰心”をくすぐったんでしょうね」

だが、「好きな相手は常に正しい」が誤謬であることは言うまでもない。大谷サイドには今後、海外ファン勢も納得する説明を期待したい。

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