世耕弘成の大誤算。なぜ和製ゲッベルスは自民を追い出されたのか?萩生田と「扱いの差」鮮明、党内政治敗北の深層

 

プロパガンダ好きの世耕氏が、対人関係で致命的ミス

岸田首相が、自分に対し厳しく当たってくることは間違いない。思い返せば、あの日の演説も悔やまれる。

昨年10月25日の参院本会議。岸田首相の所信表明に対する代表質問で、世耕氏は得意満面に、リーダーのあるべき姿を説いた。

私が考えるリーダー像は、決断し、その内容をわかりやすい言葉で伝えて、結果について責任を取るという姿です」。

岸田首相に自説を滔々と語り聞かせる姿は、あたかも自分こそが総理にふさわしいと言わんばかりだった。岸田首相が心穏やかでいられるはずがない。ただでさえメディアにこきおろされ、傷ついている心に、身内の議員、しかも参院のトップが塩を塗りつけるのである。

世耕氏はNTT時代に身につけた広報宣伝技術の高さを誇り、安倍元首相から参謀役として重宝されてきたことを鼻にかけているところがあるが、自分の言動や姿勢が、世間からどう見られているかについては、やや認識不足のようである。

案の定、世耕氏は4月4日、塩谷立氏とともに党紀委員会から離党勧告を受けた。不記載額が過去5年間500万円以上と不可解な線引きをされた対象リスト39人のなかで、もっとも重い処分だ。

安倍派5人衆のうち、総理をめざすとされる世耕氏、西村康稔氏、萩生田光一氏の三人だけを比べても、格差は歴然としている。西村氏は「離党勧告」の次に重い「党員資格停止1年」、萩生田氏に至っては「党の役職停止」といった軽さだ。

もっとも西村氏については、資格停止期間中に総選挙があれば無所属での立候補を余儀なくされるため、前明石市長、泉房穂氏のような強敵が出馬すると、かなり危うい。

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