世耕弘成の大誤算。なぜ和製ゲッベルスは自民を追い出されたのか?萩生田と「扱いの差」鮮明、党内政治敗北の深層

 

再起を図る世耕氏。ならばまずは自らを省みよ

だが、世耕氏が「明鏡止水」と心のうちを形容して、離党を宣言したのは、あながち強がりだけではあるまい。

関西テレビ「newsランナー」(4月5日放送)は、世耕氏が和歌山県内の自治体の首長に対し「無所属で、衆議院のほうに出る」と話したと報じている。無所属で来年の参院選に出て6選をめざすのではなく、離党して党の了解を得る必要がなくなったのを逆手に取り、次期衆院選に鞍替え出馬するというのだ。

無所属であっても衆院選に出るとなれば、自民党に反党行為とみなされ、復党の道が閉ざされる可能性もなきにしもあらずだろう。それでも出るというなら、いっそのこと、自民党と完全に決別し、裏金作りなど悪しき実態を明らかにしたうえで、二階陣営と真っ向勝負したらどうか。

世耕氏は理事長をつとめる近畿大学の入学式(4月6日)で「変化の激しい社会における自分の立ち位置をしっかりと把握をし、立派な社会人として近畿大学を巣立っていただきたい」と祝辞を述べた。

民主主義社会における自らの“立ち位置”を世耕氏はしっかり把握しているのだろうか。政治資金の裏金化事件がなぜ起きたのか、闇資金は何に使われてきたのか。真摯に問題と向き合うこともなく、知らぬ存ぜぬを押し通す。とても堂々たる政治家の姿とは思えない。世耕氏を模範として“立派な社会人”をめざすことだけは、やめたほうがよさそうだ。

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