自民党のイメチェン大作戦「上川、高市、進次郎」選挙の顔すげ替えへ?当たりクジなし政治賭博 裏で糸引く黒幕魂胆

2024032takaichisanae_eye
 

「裏金議員を厳しく処分しろ」の批判もどこ吹く風、まったく生まれ変わる気配がない自民党。彼らに旧来の金権政治を刷新する覚悟は微塵もないようです。一方、今の低支持率では“下野”もあり得るという危機感から、うわべだけのイメージチェンジ作戦は着々と進行中。岸田首相、麻生副総裁、茂木幹事長、菅前首相ら懲りない面々が、自らの保身と生き残りを賭けて“選挙に勝てる、自民党の新しい顔”を模索しはじめました。上川陽子、高市早苗、そして小泉進次郎…誰が選ばれても嫌な予感しかない自民“次の一手”について、メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』の著者で元全国紙社会部記者の新 恭さんが詳しく解説します。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:生まれ変われない自民党。口つぐむ裏金議員の処分にも及び腰

この記事の著者・新 恭さんを応援しよう

メルマガ購読で活動を支援する

自民党がすげ替えを急ぐ“選挙の顔”

政倫審における自民党の安倍派や二階派の議員たちの知らぬ存ぜぬ発言に、ますます国民は不信感を募らせている。知らないはずがないからだ。

“裏金議員”を早く処分してほしい」。有権者の罵声を浴びる地方議員たちの訴えは切実だ。

4月28日には衆議院の補欠選挙が3つ控えている。東京15区、島根1区、長崎3区。このままでは全敗の可能性だってある。

そうなれば、岸田首相の命運は尽きたも同然だ。自民党は、なにがなんでも“選挙の顔”を変えようとするだろう。

党総裁選は半年後に迫る。岸田首相に残された道は限られてきた。通常国会が閉会する6月までに衆院解散・総選挙に持ち込めるかどうかだが、できることなら、衆院3補欠選挙に合わせてやりたいところだ。

生まれ変われぬ自民。茂木幹事長がサボタージュか

その意味で、岸田首相にとって、3月17日に開かれた自民党大会は、これまでにない重要な意味を持っていた。自民党が生まれ変わる日にしたかったのだ。

岸田側近が描いたベストシナリオを以下のように想像してみた。

党大会までに、“裏金議員”に対し、除名、離党勧告、党員資格停止などの処分を決定し、党大会で新しい党のルールを定めて、党再生への第一歩をしるす。それによって、内閣支持率が明らかな上昇に転じれば、間髪を入れず衆院解散を断行する。

これら全てを鮮やかに運ぶことができれば、なんとか自公で過半数を確保し、総裁選で岸田首相が再選される可能性が高まるという算段だった。

しかし、現実には“裏金議員”の処分が決まらないまま党大会を迎えた。

党大会の挨拶で、岸田首相は「先日、幹事長に対し、関係者に対する党としての処分について結論を得るよう指示をした」と述べた。茂木幹事長も「早期に厳正な対応を取っていく」と表明してはいるが、表情はさえない。

岸田首相の独断専行に反感を抱く茂木幹事長がサボタージュを決め込んでいるというのが、永田町界隈で囁かれる処分難航の原因だ。

緩い対処では世間が納得しないだろうし、厳しい処分だと安倍派や二階派の間から反発が強まるだろう。

だがこのまま放置しておくと、自民党は自浄能力がないとみなされて自滅する。近いうちに処分を下さねばならないのは確かだ。

しかも、岸田首相、茂木幹事長、いずれにとっても、萩生田光一氏、西村康稔氏、世耕弘成氏といった安倍派の実力者たちを厳しく処分することは、権力闘争のライバルを蹴落とすことでもある。

だが、派閥存続にこだわる麻生副総裁と茂木幹事長は、党大会にかける岸田首相の意気込みを苦々しい思いで受けとめていたかもしれない。岸田首相は「派閥解消」を党改革の柱としてきたからだ。

党改革を骨抜きにする麻生副総裁

岸田首相は党に自らをトップとする政治刷新本部を設け、中堅若手議員を中心とする三つのワーキンググループで、大会に提案する改革案を練ってきた。

各グループに懐刀の木原誠二氏を幹事として送り込むほどの周到さで、「派閥解消」への議論の流れをつくった。

その結果、党則やガバナンスコードは、派閥に関し下記のような原則を付け加えるよう改定され、党大会で採択された。

資金力と人事への影響力を背景に議員を集め、数の力で影響力を強めようとする組織を「派閥」と定義し、こうした旧来の「派閥」の存続及び新たな設立を禁止する。

そのうえ、政策集団の政治資金パーティーや夏冬の「氷代」「もち代」といった手当を禁止し、資金の流れの透明化をはかることになった。

むろん、これで派閥が完全に無くなると考えるのは、いささか気が早い。政策研鑽や人材育成を担う「政策集団」としてなら存続できるとされており、麻生派や茂木派はすでに「政策集団」への移行を決めている。

派閥のパワーバランスを権力の土台としてきた麻生副総裁や茂木幹事長も、当面、この決定で困ることはないだろう。

しかし、「政策集団」という名のもとに実質、以前と変わらない派閥運営をするつもりだっただけに、今後やりにくくなるのは確かだ。

print
いま読まれてます

  • 自民党のイメチェン大作戦「上川、高市、進次郎」選挙の顔すげ替えへ?当たりクジなし政治賭博 裏で糸引く黒幕魂胆
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け