岸田首相よ、あなたはどこの国のトップか?自身の延命のため米国にすり寄り軍拡に走り、ロシアを敵に回し中国を怒らせ日本国民を危険にさらす男

 

そしてやはり懸念した通り、岸田首相の一連の挑発的な宣言に対して、中国は猛烈に反発してきました。米議会演説翌日の4月12日には、中国外交部アジア局長の劉勁松氏が、北京の日本大使館の横地晃首席公使を呼び出して厳正に抗議し「深刻な懸念」と「強烈な不満」を伝えました。

さらに、同日の中国外交部の定例会見でも、毛寧報道官が日本を名指しして、「米国と日本は仲間を引き込んでミニグループを作り、集団的な対抗を策動している。それこそが地域の平和と安定を脅かすものだ」と、激しい口調で非難しました。

さすがに、今回のような宣言をすれば中国が反発してくることは想定の範囲内だったと思われますが、岸田首相が強気を貫いた背景には、9日夜の岸田夫妻とバイデン夫妻との非公式な夕食会でのやり取りがあったと言います。その夕食会は、バイデン大統領にとって、2018年の暮れに大統領選出馬を決めた思い入れのある場所とされるワシントンDCのシーフードレストランで行なわれました。バイデンは、今年の大統領選で勝利するためのトランプ対抗策について、岸田首相に協力を求め、「あなたは私の息子のようだ。共に後4年頑張ろう。あなたにも良い未来がある」などとおだてて、バイデン政権への忠誠継続を懇願したそうです。

岸田首相にとっても、安倍元首相と親しく、岸田降ろしを画策する麻生氏も接近するトランプが再選されるより、このままバイデン政権が続いた方が好都合です。この夕食会でのバイデンとのやり取りで岸田首相が大いに張り切り、バイデンを支援することが自分の延命にも繋がると確信したのでしょう。バイデン政権への忠誠を示す意味でも「日米の防衛関係をかつてないレベルに引き上げる」などと宣言して対中強硬路線を打ち出すことへの迷いが消えたのだと思います。

ところが、この岸田首相の高揚感は長くは続きませんでした。岸田首相が帰国するや否や、バイデン政権は中国への急接近を始めたのです。まず16日にオースティン国防長官が中国の董軍国防部長とオンライン会談を行って信頼関係の再構築に向けた話し合いを行いました。さらに、24日から26日にかけて、ブリンケン国務長官が中国を訪問して王毅外相らと会談し、台湾や南シナ海の問題、ウクライナや中東の問題、ロシアへの対応などについて話し合うと共に、友好ムードをアピールしました。

これらの状況に、岸田首相は戸惑いを隠せず心穏やかではいられなかったようです。外務省の関係者によると、「何のための訪米だったのか…」と大いに落胆していたとの話も聞こえてきます。さらに追い打ちをかけたのが、「日本人は外国人嫌い」との5月1日のバイデン大統領の遊説先での発言でした。

対中強硬路線を軸にした日米同盟の結束強化を謳った渾身のスピーチを高らかに行い、聞いている方が恥ずかしくなるほどの熱烈なラブコールを米国に送って、日本ではついぞ経験したことがないような拍手喝采を浴びて手応えも十分にあったはずなのに、すっかり梯子を外された気分になったのでしょう。

しかしながら、岸田首相の読みは甘すぎたと言わざるを得ません。トランプ政権が再び誕生することを望まないのは習近平主席も同じです。中国は、かつてのトランプ政権下で、貿易戦争や技術覇権争いなど、散々煮え湯を飲まされています。中国からすればどちらも信用できないものの、「再選されたら中国に60%の関税をかける」と公言し、何をしでかすかわからない予測不能なトランプよりも、まだバイデンの方がマシだと思っているのは間違いありません。すなわち、トランプ再選阻止という面では、バイデン政権は中国と利害が一致するのです。そこでバイデン政権は、岸田首相の思惑など関係なしに、少なくとも大統領選までは中国との関係を修復する方向でしたたかに急接近しているものと思われます。

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