無理筋の“やす子擁護”が「自衛隊へのネガキャン」に
建前はどうあれ、自衛隊は軍隊だ。軍の規律を維持するためには、多少の暴言や暴力はやむを得ないという考え方も根強いようだが、なぜ“やす子擁護”が本人にとって逆効果になってしまうのだろうか?
先のエンタメ系ライターが説明する。
「やす子は、『元自衛官』という肩書きだけが売りの面白くない芸人の代表格で、芸らしい芸は何も持っていません。それでもこれまでは、政府や自衛隊にとって“利用価値”が大きかった。やす子の無邪気でクリーンなキャラが、彼らのイメージアップ戦略とベストマッチだったからです。
この春から即応予備自衛官に復帰したのも当然、今後の仕事を見据えてのことだったでしょう。そうでなければ、わずか2年で自衛隊を辞めたやす子が今さら動くわけがありません。
そんな中で、今回のパワハラ文春砲が炸裂しました。一部のネット民は、暴言や暴力を必要悪としてとらえ、無理矢理やす子を擁護していますが、これって人員不足に苦しむ自衛隊にとってはネガキャンにしかならないんですよ。
仮に、今回のやす子の行為がパワハラに当たらないとなれば、『自衛隊=罵倒や暴力は当たり前のブラック職場』という図式が成立してしまいますからね。『就寝前にやす子にツメられる』というプレイが、自衛官の仕事にどう役立つというのか?教育方法が前時代的すぎると感じる人が大半のはずです」(同)
売り手市場に慣れた今どきの若者は、パワハラを肯定するブラック職場など選ばない、ということか。しかし、そうなればもう、やす子は“自衛隊の宣伝塔”として活躍できなくなってしまう。
「自衛隊ではパワハラ事件やセクハラ事件が繰り返し発生していて、自殺者まで出ている。これが大きな社会問題になっているんですよ。今回の文春砲では、X子さんが自死直前まで追い詰められたとされていますが、テレビの視聴者は今後、やす子をみるたびにそれを思い出すことになるでしょう。『元自衛官』の肩書きに、人々が眉をひそめるようになった時点で、もうやす子に利用価値はありません。これまで“国営芸人”と叩かれてきたやす子ですが、“政府案件”や“自衛隊案件”をすべて失う日はそう遠くないと思います」(同)
“政府案件”だけでなく、最近、出演本数が急増していたテレビCMへの悪影響も懸念されるところ。今どき、パワハラ人間を宣伝に起用したがる企業など存在しないだろう。テレビでやす子の「はい~!」を見られる期間は意外に短いのかもしれない。
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