ただ。
なんというか。
リスペクト(尊敬)もされているし、インプレッション(印象)も良いのだけれど。
Cool(カッコイイ)!とか、Awsome(イケてる!)とは、また違うような気がします。そうは思われていない。
いや、もちろん日本、もしくは日本人のことを「Cool」や「Awsome」と表現してくれる人もいなくはないけれど、それこそ営業トーク、というか日本人(僕)相手の忖度コメントな気がしなくもない。一般的に、CoolやAwsomeと表現されることはやっぱり少ない。
学生時代のクラスメイトのキャラクターでたとえれば、わかりやすいかもしれません。
「日本クン」は確かに頭も良くて、口数は少ないけれど、誠実で、親切。狭いけれどキレイな自宅に遊びに行けば、電化製品なんていつも最新で、トイレにはお尻を洗ってくれる機械まで備え付けてあって、出されるごはんはすべて美味しい。以前、生魚を出された時にはビックリしたけど、最近は美味しく感じられるし「RAMEN」なんてクラスメイトみんなから大人気。
そう「日本クン」は、クラスみーんながリスペクトしてる「学級委員長」みたいな存在。実際、学生時代を振り返った際、委員長は本当のリーダー的存在がなるわけではなく、人畜無害な、人の良い、断れない性格の子がなっていた(ならされていた?)気がします。みんなから好かれてはいるけれど、そう目立つ存在ではない。好きか嫌いかと聞かれたら、好きと答えるけれど、存在感があるわけではない。
男子にとっての「憧れの存在」かと聞かれれば、身長も高くはないし、たいしてスポーツもできるわけじゃない。なによりファッションのオシャレがオシャレすぎて、フェミニンにしか見えない。
女子たちにモテるかと聞かれれば、間違いなくNO。アニメ好きの特殊なタイプとは話が合うかもしれないけれど、(2024年現在も)世界の基本は、女性はManly(男らしい)男性に惹かれる。外見の話です(じゃあSHOHEI OOTANIはどうなるんだ!日本人とつきあってる金髪美女が実際いるぞ!…etc. のような、よく聞く反論に対しての反論も、長くなるのでまた次週)。
では、クラスの中心人物は誰なのか。良くも悪くもいちばん目立っている「番長」的な存在は、やっぱり「アメリカくん」です。これは間違いない。
ケンカがダントツで強い、野球部のキャプテンです。ケンカの強さでリーダーが決まるなんて「なんて幼稚な発想だ」と言われてたとしても、現代の世界情勢がつまりはそう成り立っている。現実の世界がそうであるからこそ、そこもまた、学生時代のクラスにたとえるとスンナリくる。
同じ野球部には副キャプテンの「カナダくん」を始め、「メキシコくん」、「ドミニカくん」、「プエルトリコくん」、数年前に仲直りした「キューバくん」もいます。かつて、クラス全体を不安にさせた「キューバくんの反逆」。あまりに子分として理不尽に使われた「キューバくん」の生涯唯一の反乱でした。そんな「キューバくん」をも丸め込んだ「アメリカくん」はクラスで不動の地位です。
でもこの「番長」、実はそんなに頭が良くないことも、クラス中にバレてきています。やたらジャンクフードばっか食ってるし、なによりファッションもダサいし、いつも正義のヒーローきどりで頼んでもないのに他のクラスメイトのケンカに首つっこんでくるし、デブだし。
いや、本当はずっと前から、なんなら番長就任(サンフランシスコ平和条約調印=1951)した直後からバカはバレていた。ファッションはいつもイケメンサッカー部(欧州)からのパクリだし、遊びに行ってもハンバーガーやホットドッグしか出てこないし。全体的に幼稚だし。
それでもケンカが強いから、クラスメイトはみんな距離を保ちつつ、いい関係でいようと思ってる(まさしく学生時代の番長だ)。
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