とある調査結果では、男性の67.9%、女性の46.3%が経験あるという浮気や不倫。当然ながらこれら不貞行為は法定離婚事由の一つとなりますが、「浮気調査のプロ」である探偵は、そもそも浮気に対してどのような感情を持ち仕事に当たっているのでしょうか。今回のメルマガ『探偵の視点』では現役探偵の後藤啓佑さんが、14年間の探偵生活で得たという浮気に対する考え方を綴っています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:浮気に対してどう考えているか
浮気に対してどう考えているか
探偵という仕事の半分以上は「不貞行為の立証」です。いわゆる浮気調査で、男女の接触を撮影するという仕事内容です。
そういった仕事をやっていく中で考えるのが「浮気は悪なのか」という答えの無いテーマです。
僕自身、14年もの間、クライアントの話を聞く、同業の話を聞く、時には対象者の話を聞く、ということを繰り返してきました。
“浮気”と一口に言っても、そこへ至るまでの動機や状況は様々。
妻を裏切り家を出て、子供の面倒も見ずにお金も渡さない。浮気相手の女性の家を渡り合く…。そんな男性の浮気もあれば、10年間ずっと夫に無視され、離婚したくても許してもらえず、たまたま外で会った男性と一晩だけ共にしてしまう。そんな主婦の浮気だってあります。
極端に社会通念上“悪”と思われる浮気もあれば、異性に走るのもしょうがないだろうというシチュエーションからくる浮気もある。
浮気の動機や状況は、本当に人それぞれです。しかし、そうやって形が変わる浮気も、法的に“不貞行為”として見てみれば全て同列に「離婚事由」になる。法的には“いけないこと”と定義され、争えば不利になります。
では、僕は探偵として“浮気”に向き合った時に、このことをどう捉えているか?浮気は絶対に“悪”なのか?これを考えてみたいと思います。
結論、“悪”です。個人的には“覚悟”の問題だと思っています。
どういうことかと言うと上記に書いたように、どんな状況だろうが、配偶者を持つ者が他の異性と性交渉をすれば、それは“不法行為”で一旦は離婚事由になります。
日本で20年以上生活していれば、“離婚事由”や“不法行為”という言葉は知らなくても“浮気”をポジティブに捉える方はいません。
さらに言うと、婚姻という“契約”をしたのであれば、不貞行為が離婚原因になることは法的にも道徳的にも把握しているはずです。
どんなに辛い状況でも、このことを知らないふりして“浮気で現実逃避”するのは罪です。つまり、“浮気の動機や状況”の“言い訳”はたくさん並べられますが「浮気が“社会通念上悪いこと”だと知らなかった」とは言えないわけです。現実にこれを言っている人はいないでしょう。
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