北朝鮮ではおそらくBTSは「反動思想文化排撃法」により見たり聞いたりすることは厳罰。これは住民への宣伝、というよりも体制への挑戦であり、体制の中枢を強く刺激するコンテンツだ。ここから思わぬ方向に行くことも懸念される。
6月10日には軍事境界線を挟む非武装地帯(DMZ)内で作業中だった北朝鮮軍の一部が軍事境界線を一時侵犯したが、韓国軍と警告放送と警告射撃を受け、北朝鮮側に戻ったと報じられた。東亜日報によると、合同参謀本部関係者は「10人以上が短時間の間に、50メートル以内で軍事境界線を越えてきた。警告射撃をすると、直ちに北側に戻った」と話したとのこと。
報道は「つるはしなどの装備で作業中だった北朝鮮軍が道に迷い軍事境界線を侵犯したとみられる」との内容ではあるが、この時期の越境は偶発的であっても取り返しのつかない事態のきっかけになる。
同紙は複数の元政府高官の話として、「ここでさらに一歩踏み出せば、軍事的衝突は避けられない」と指摘。「南北ともに自制が切に求められる状況」と話したという。白い風船の寓話を悲しいシナリオにしてはいけない。
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