オムニチャネルの利便性だけではオンラインの売り上げアップにはつながらない?!
オリーブヤングは店内に入ると、壁面に映し出される複数のディスプレイを重ねた迫力のある映像が、来店客のワクワク感を高揚させ、視界に飛び込んでくる目を引くパッケージに記載された10個買えば〇〇というコスパ訴求が、思わず買ってしまう衝動を起こす仕組みとなっています。
しかし、実店舗でのこのような購買体験がオムニチャネルのキモになる利便性にリンクし、来店客にオリーブヤングの商品をオンラインでも購入したい!というニーズにつながるか?は疑問です。
今回現地開催の韓国ソウル視察セミナーで実感したのは、オリーブヤングの店頭で購入する商品がパスポートをスキャンするだけで、免税価格(消費税抜き)で購入し、その場で持ち帰ることができる、並ぶだけで、レジでは待たせないスムーズな購買体験でした。
実店舗では、私も店内のお得な楽しさに魅了され、他の来店客が無造作に、これ、あれと買い物かごに入れる姿を見て、レジに並ぶまでに目的とした商品以外数点を手に取り、衝動買いしてしまいました。
OMO、即ちオンラインとリアルの融合ができれば、顧客の利便性が最大化され、売り上げがアップできる!!これこそがオムニチャンネル戦略を具体化する戦術を練る上での仮説です。
即ち、オリーブヤングは実店舗でワクワクした購買体験をした顧客を対象に、リアル、Web、デバイスの分け隔てをなくし、スムーズな購買体験が行えるシームレスでストレスフリーなオムニチャネルの買い物ができることを付加価値として提供することで、コスメという非耐久消費財のリピート購買を促す考えなのです。
韓流ブームは一過性のものか?
これまで紹介したオリーブヤングの提供するオムニチャンネルの戦略は、すでに米国ではウォルマートを筆頭に導入、日本ではセブン&アイ・ホールディングスが採用(※後に廃止)しました。オリーブヤングは、オムニチャネルをOMOという顧客が主体の視点で、顧客の日常生活と同じようにオンラインとオフラインを融合することで捉えなおし、米国流のビジネスモデルではなく、韓流のビジネスモデルを構築しようとしています。
米国発のマーケティング戦略オムニチャネルは、韓国に輸入され、韓国はオムニチャネルでは先陣を切った日本企業の失敗からも学び、韓国にしかない、韓国の映画、テレビ、ドラマ、 K-POP、料理、化粧品にまで及ぶコンテンツ視を、モディファイ(修正,変更,手直し)することで韓国しかできない、韓流ビジネスモデルを生み出しました。
韓流が意味するものとは、単にブームでは終わらない、身近で異なるカルチャーとなる、これまでにない第三のビジネスモデルとして認知されていく予感大です。
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