「トヨタこそ日本経済の武器」という洗脳から脱却せよ
日本経済の最大の武器は、自動車産業でもトヨタでもありません。
「有能で勤勉な国民」です。
しかし政府や大企業は、この有能で勤勉な国民に対して、まっとうな報酬を払ってきませんでした。
今、日本が衰退している最大の理由は、ここにあるのです。
トヨタは、ここ数年の春闘では組合側の要求に対して満額回答をしています。以前のトヨタでは考えられないほどの大盤振る舞いです。
「社員の賃金を下げることは企業自身の将来を危うくする」ということに今さらながら気づいたのでしょう。
が、気づかないよりはマシではありますが、「失われた30年」を取り戻すにはまだまだ全く不足しています。
2000年代、史上最高収益を出した時にも賃上げをしなかったケチケチトヨタの罪は大きいのです。
これまで述べてきたようにトヨタは、この2~30年の間、史上最高収益を何度も更新し、税金でも優遇されていたのに、従業員の賃金は極限まで削ってきました。
では一体、何にお金を使ったのかというと株主への「配当金」なのです。