日本人の賃金が下がったのはトヨタが原因
2002年から現在まで、トヨタがベースアップしたのは、2年に1度程度です。特に2003年から2005年までの5年間、ベースアップをまったくしませんでした。トヨタは2004年に過去最高収益を上げているにもかかわらず、ベースアップがなかったのです。
このトヨタの賃金ケチり政策は、トヨタの社員だけではなく、日本全国の企業、サラリーマンにも大きな影響を与えたのです。
ご存知のようにトヨタは日本最大の企業です。トヨタの賃金政策は、そのまま全国の日本企業に波及します。
「トヨタがベースアップしないなら、うちもベースアップしなくていい」ということになるのです。
特に、史上最高収益を出した2004年前後でさえ、ベースアップをしなかったということは、労働界に大きな衝撃を与えました。
トヨタのような好業績の企業でさえ、ベースアップしなかったということは、業績がそれほどよくない企業は、まったくベースアップをしないし、業績が悪い企業は、大手を振って賃金を下げることになります。
その結果、日本経済はどうなったでしょうか?賃金が下がりっぱなしとなったのです。
この30年の間、先進国で賃金が上昇しなかったのはほぼ日本だけなのです。
日本はあまりに賃金が上がらなかったので、現在では韓国よりも賃金が低くなってしまいました。
そして、賃金が上がらなければ、国民の生活は豊かにならず消費も冷え込みます。景気がよくなるはずがないのです。「平成の失われた30年」の最大の元凶は低賃金であり、その流れをつくったのはトヨタだといえるのです。