トヨタの開発トップが中国企業へ引き抜かれる
トヨタの社員を大事にしない低賃金政策は、トヨタ自身の首を絞めることにもなっています。
2021年にはトヨタのカムリの開発者責任者が、中国の自動車メーカー「広州汽車集団」に引き抜かれたという報道がありました。
日本企業の最高峰の技術者が、中国企業に転身したということです。
このカムリの開発責任者は、「広州汽車集団」の製造部門のトップに据えられました。
カムリというのは、現在のトヨタを代表する車種であり、アメリカで16年連続売上1位を記録した世界戦略の主力車です。
このカムリが2017年にフルモデルチェンジをしたときの開発トップが、中国メーカーに移ったのです。日本としては大変な損失と言っていいでしょう。
実はバブル崩壊以降、日本の大勢の技術者たちが韓国や中国の企業に引き抜かれました。
韓国や中国の工業が、この2~30年で急激に発展した背景には、日本人技術者の存在があるのです。
日本人技術者が、中韓企業に移った最大の理由は、日本での賃金が低すぎたことです。
そして、日本人の賃金低下の大きな原因として、トヨタの「低賃金政策」があるのです。