集中豪雨や酷暑日などがトップニュースで伝えられるようになり、メディアが「梅雨入り宣言はまだか? 梅雨明け宣言はまだか?」と気象庁にプレシャーをかけたことで、「んもうう!!めんどくさい!やめてしまえ!」(注:こんな乱暴な言い方ではなかったと思いますが…)と、気象庁は「梅雨入り宣言しません宣言」をしたのです。
しかし、その後「そんなのおかしい!」と批判が殺到します。そこで気象庁は「しません宣言」を撤回し、「あとから梅雨入り・明けの時期が正しかったかを検証する」として、「梅雨入りしたと見られると思われる」だのと、ややこしい表現が使われるようになりました。気象庁さんも…苦労してきたのですよね、本当に。ですから今年も、気象庁の職員の方たちは…ストレスを感じているかもしれませんね。
では、予報する人は何をもって梅雨入りと判断するのか?チベット高原に発生する「チベット高気圧」です。上空300hPa付近にチベット高気圧が出てくると日本は雨の季節に入ります。
偏西風がチベット高原で南側と北側に別れ、日本列島の東側で合流する。この流れが梅雨前線を発生させるのです。そして、偏西風がチベット高原の上に押し上げられると、梅雨明けです。つまり、チベット高原がなければ日本に梅雨はありません。偏西風こそが、日本の天気の大きな鍵を握っているのです。
で、今年はその偏西風が南に大きく蛇行していることと、夏の主役である太平洋高気圧の張り出しが弱いため、梅雨前線の北上が遅れています。ただ、太平洋岸の海水温がかなり高くなっているので、豪雨が降りやすい状況にあります。
さらに、エルニーニョ現象が終息し、ラニーニャ現象への移行が予測されているので、太平洋赤道域西側=日本の南の海上付近の海水温が、今後過去30年間でもっとも高くなると予測されています。海水温が上がる=水蒸気が増える=大雨が降るこれが今後1ヶ月の日本の天候です。
地球自体も「生きている」ので、異常な暑さが続くと「冷えよう」と予想以上の雨を降らせたりもします。特に7月上旬に降る雨の量が予測したものより多くなるリスクがありますので、避難先や家族との連絡方法など、今のうちに確認してください。
みなさんのご意見、お聞かせください。お待ちしています。
この記事の著者・河合薫さんのメルマガ
image by: shutterstock.com