では、いくらもらえるのか? 相場12億ウォン(1億3700万円。例としてはちょっと高すぎだが!)の住宅を例に挙げると、55歳の加入者が定額型を選んだ場合、174万ウォンが支給される。80歳の加入者は393万ウォンを受け取ることができる。住宅年金加入者の年齢平均である72.1歳を考慮し、70歳で計算すると327万ウォンの受領が予想される。ソウルのマンション売買の中位価格(相場9億5,000万ウォン)を考慮し、公示地価6億ウォンの住宅に加入すれば、70歳基準で毎月280万ウォンを受け取ることができる勘定だ。住宅年金加入者の平均では月122万6,000ウォン(住宅価格3億8,500万ウォンの場合)を受領しているようだ。122万6,000ウォンといえば14万円くらいとなる。国民年金のほかにこれくらい入ってくる金があれば余裕ある生活ができよう。
該当住宅にローンが残っていても加入が可能だ。住宅年金に加入する際、将来受け取る年金の一部(融資限度額の最大90%)を一時金として受け取り、担保融資を返済することができる。
相場2億5,000万ウォン未満(2857万円)の住宅所有者は、一般型に比べて月支給金を最大20%さらに支給する優待型住宅年金商品に加入できる。
2024年6月の今月から2億ウォンから2億5,000万ウォンに加入条件が拡大されより多くの世帯が恩恵を受けるようになった。相場2億3,000万ウォン(2630万円)の住宅を保有している70歳の住宅年金加入者が優待型商品に加入すれば、月支給金が67万9,000ウォンから73万9,000ウォン(8万4500円)に増えることになる。
加入者が死亡しても年金額の100%を配偶者が継承できる点も長所だ。国民年金や公務員年金など他の公的年金は遺族が受け取ることができる金額が40%に減ることになるがそれとは違うのだ。ただし、配偶者が承継するには、子供の同意が必要だ。
住宅年金が所有権を加入者が持ち、これを担保に融資を受ける商品であるため、加入者の死亡により配偶者と子供の両方が年金に対する所有権を主張することができるからだ。これにより、住宅年金をめぐって親子間の争いが発生する可能性もあるわけだ。
これに対し、住宅金融公社は所有権を加入者が持つ抵当権方式の他に、所有権を公社に移転する信託方式を運営している。加入時に信託契約を通じて所有権を公社に渡すことになるが、加入者の地位は配偶者にのみ継承されるようになるので、加入者死亡後に子供などの同意なしにも配偶者が年金を受け取ることができる。
加入者夫婦が全員死亡したら、住宅の処分価格と支給された年金額を精算する手続きがある。お金が余ったら、残高は相続人に支払われる。
一方、支給された年金額が住宅売却金額より大きいからといって、子供にこれを負担せよ(請求する)ということはない。不足分は国(住宅公社)が負担するやり方だ。だから長生きすればするほどお得な商品となる。また、子供が親に支給された年金額をすべて支払い、住宅を買い取ることもできる。
いつ住宅年金に加入するのが有利でだろうか。年金額は加入時点を基準に計算され、住宅価格が大幅に上がっても反映されない。つまり、なるべく住宅価格が下落する前に高い時に加入した方が有利だという話だ。









