現職の小池百合子氏打倒のため、参院議員の職を辞し都知事選に立った蓮舫氏。しかし結果は石丸伸二氏にも及ばぬ3位に沈むという「惨敗」となってしまいました。その敗因を分析しているのは、辛口評論家として知られる佐高信さん。佐高さんは今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』に、かつて自身が展開した「蓮舫批判」を改めて掲載するとともに、彼女から「まともな票」が逃げた原因を考察しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:蓮舫の敗因
蓮舫の敗因
都知事選では蓮舫に投票した。しかし私は2010年に次のように彼女を斬っている。
同年元旦の小沢一郎邸での新年会に参加した蓮舫は、『週刊文春』の9月9日号によれば、ド派手な白いコートを着て現れ、
「おっ、スターが来た。こっちおいで」
と小沢に声をかけられると、悔しそうな小沢ガールズを尻目に小沢と腕を組んで廊下を歩いた。
そんな“スター”が1年も経たずに民主党(当時)の代表選で、こんなことを言うようになってしまったのである。
「とにかく、私は徹底して戦う。小沢支持の議員には、私と一緒に写っているポスターは使わせない。統一地方選を控えた地方議員もよ。だいたい、挙党態勢って要は小沢さんを処遇しろってことでしょ。そんなの、ふざけるなって感じですよ」
小沢邸に行って愛想を振りまいていた彼女が、クルリと変わって小沢を批判するのは「ふざけるなって感じ」ではないのか。
今度の都知事選で応援演説の前面に立ったのは野田佳彦や枝野幸男だった。私がNAOEと称して批判してきた立憲民主党の“財務省派”である。野田、安住淳、岡田克也、枝野の4人組だ。
特に野田と安住と枝野は消費税を下げるという公約を立憲のそれからはずしてしまった。蓮舫のそれがわかっていたかどうかは知らないが、野田や枝野が応援すればするほど、まともな票は逃げていったと思われる。
連合会長の芳野友子が、共産党と組んだから蓮舫は負けたと勝手なことをほざいていたが、労働者の代表という立場をとっくに放棄して自民党にくっついている芳野にそんなことを言う資格はない。とりわけ、連合東京は腐っている。自民党や創価学会と共に小池百合子を応援したのだから、つけるクスリはないという感じだろう。それに黙っている組合員がおかしい。
枝野は、あるインタビューで菅義偉を評価すると言っていた。陰湿陰険の見本のような菅に親近感を持つということは、自分も同種の人間だということか。
とにかく、小沢より菅というところに枝野の狭さがある。小沢を活用しないで自民党を倒せるのか。あるいは、そもそも本気で裏金と統一教会の自民党政治を倒そうと思っているのか。
蓮舫が属する派閥の親分の野田は相田みつをが好きだというのでゲンナリするが、嵐山光三郎は「増税促進首相」で「財務省のポチ」だった野田を皮肉って野田語録を相田風に置き換えた。
「マニフェストはないほうがいいんだよなあ。どっちみちできねえんだから」
「どんどん増税すりゃええんだよ。おれが払うわけじゃねえ」
「どじょう内閣と言わせておけ。閣僚はみんなどじょうばかりだけど、蓮舫だけは金魚だよなあ」
※ 文中敬称略
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