3.中国経済と親中派の衰退
習近平の退陣は、日本国内の政治にどのような影響をもたらすだろう。
日本国内の政治勢力は政党に関わらず、親米派と反米派に分かれている。日本は安全保障は米国、経済は中国と使い分けてきた。米国は中国への経済投資を増やし、日本経済に圧力をかけた。米国もまた、安全保障と経済を使い分けてきたのだ。米中対立が決定的になって、ようやく日米関係は緊密になっている。しかし、それが永遠に続くという保証はない。
日本の財界に親中派が多いのも、米国からの圧力が身に染みているからだ。「中国が技術を盗むといっても、米国から受けた損害に比べれば大したことはない」と思っている人も少なくない。
習近平は日中友好を踏みにじった。その習近平が退陣するのなら、日中関係の改善の可能性も出てくる。しかし、中国経済が回復しないなら、中国に再投資することはできない。将来性を考えれば、ASEAN諸国やインド等への投資を強めるはずだ。
今後、中国経済と共に親中派も淘汰されていくだろう。
4.属国から普通の独立国へ
習近平が退陣し、台湾進攻の野心が消えれば、戦争の危機は遠のく。北朝鮮は中国から離れ、ロシアと接近している。
トランプ政権が復活し、プーチンとの対話による米露関係改善が行われれば、ウクライナ戦争も終結するかもしれない。トランプは世界に展開している米軍を引き上げようとしているのだ。
米軍が引き上げれば、日本は防衛能力を高めなければならない。ようやく米国の属国から脱し、普通の独立国になれるチャンスである。
遅かれ早かれ習近平は退陣する。その時のことを考え、日本の安全保障や経済戦略を再構築すべきだろう。
編集後記「締めの都々逸」
「バカも阿呆も 死ぬまで生きる 死んでしまえば 仏様」
習近平はどうなっているのでしょうか。中国の経済崩壊に対しては何もできないようです。普通なら、全部投げ出して逃げたいのでは。
習近平は意外に逃げるんですよね。責任を部下に押し付けて逃げてしまう。でも、それも限界ですよね。
今のままでは、大量に人民元を刷って、暴落して一巻の終わりです。世界も大打撃を受けるでしょうね。桑原桑原。(坂口昌章)
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