高スペックはあてにならない。大企業が「AIで面接」をしはじめたワケ

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社員の採用に関しては、多くの企業が頭を悩ませていると思います。高スペックの志願者を採用してもすぐにやめてしまうなどの問題も多々起きています。そこで、最近の面接で使われているAI面接官について、無料メルマガ『キムチパワー』の著者で韓国在住歴30年を超え教育関係の仕事に従事している日本人著者が詳しく紹介しています。

最近のAI面接官

10年目のメディアスタートアップの代表A氏にとって採用は最も難しい課題だ。中小企業ベンチャー部の「予備ユニコーン」(投資実績50億ウォン以上、企業価値1000億ウォン以上のスタートアップ)に選ばれるほど会社が成長し、いわゆる「高スペック」入社志願者が増えた。ところが実際に採用してみると「業務が適性に合わない」「会社と価値観が違う」としてすぐに退社する場合が多かった。力量・人性などが期待と違ったり問題を起こす社員もいた。

A氏は今年、人工知能(AI)を活用して社員を選んだ。CEOメッセージ、前・現職者レビューなど会社関連データを学習・分析したAIが志願者の中から会社に合う人を探してくれるのだ。

A氏は「採用はどの会社もあまりにも重要だが、少ない人員で短い時間に志願者を深く検証することが現実的に不可能だ」として「AIはスペックよりは私たちの会社とよく合うかだけを先入観なしに客観的に見てくれるので必要な人材を選抜することが可能なようだ」と評価した。

このように学歴・成績など「スペック」中心の職員採用方式が限界にぶつかり、採用市場でもAIが代案として注目されている。AIは志願者のスペックよりは性向や「カルチャーフィット(culture fit、会社とどれだけよく合うか)」等を把握し、オーダーメード型人材を探してくれる一種の専門面接官の役割だ。

従来の採用方式より会社によりよく合う人が入社したため、離職率が低くなる効果があるというのが業界の分析だ。LGグループ・現代百貨店グループ・ハンファなど大企業と公共機関140か所余りでAI面接を通じてインターンや新入社員を採用している。

AIの面接方式は簡単だ。ノートパソコンまたはモバイルを通じてAI面接プログラムに接続すると、画面に映ったAIヒューマン面接官が志願者に人性・力量・職務適性に関する質問をする。以後、カメラを通じて録画された志願者の返事内容と態度などを全て分析して点数を付ける。AI面接官は大企業の前・現職人事担当者など100人余りの専門家が30万人を越える志願者の面接動画を見た後に評価した内容を学習したプログラムだ。

ジェネシスラボのユク・グンシク理事は「短い面接時間とスペックでは分からない求職者の力量を100人の専門家が確認してくれるのと同じだ」とし、「インターン採用の場合、AI面接だけを活用して採用する場合もあり、正規職社員はAI面接を対面面接の判断が正しいかチェックする補助的手段として活用している」と話した。

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