中国の大手自動車メーカー「吉利」が展開する高級EVブランド「Zeekr(ジーカー)」。同ブランドが2025年、日本に進出するとのニュースがこのほど日経新聞などで報じられました。はたしてZeekrの試みは我が国で成功するのでしょうか。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』は今回、中国国内市場で順調に販売台数を伸ばしているZeekrが日本で通用するか否かについて考察しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:吉利ZEEKRが2025年に日本展開、BEV不作の日本で可能性は?
吉利ZEEKRが2025年に日本展開、BEV不作の日本で可能性は?
日本経済新聞は2024年8月13日、吉利(Geely)のハイエンドBEVブランド「ZEEKR」が2025年にも日本市場へ参入すると報じた。
ZEEKRもご多分に漏れず、海外進出を加速させているが、その矛先として日本を選択する。
これはBYD以来初めてのことであり、「世界で最もBEV販売が難しい」日本においてチャレンジしていく。
同時にZEEKRは韓国にも進出を試みる。Geelyはもともと韓国とのコネクションがあり、そのルートを活用する可能性がある。
他社と比べ、ZEEKRは中国国内市場ではそこまで苦戦しておらず、順調に販売台数を伸ばしているが、日本進出に成功の目はあるのか。
24年にもリアル店舗
それによれば、ZEEKRはすでに日本における安全基準認証などの手続きを進めており、最短で2024年内に東京と関西にショールームをオープンさせる。
ZEEKRは海外進出に際して、当初欧州に力を入れていたが、ここにきて他社同様、東南アジアにシフトさせている。
特にタイ向けにSUV「X」、MPV「009」の右ハンドル版を製造。これをそのまま日本に導入してくる見込み。
最大の売れ筋、中大型HB「001」の話題はない。
先行のBYDは苦戦
BYDは2023年、日本でBEVを1,446台販売した。
7月の日本販売は207台で、日産サクラの2,169台と比べてわずか10分の1(日経ではこれを「サクラには及ばない」とだけ表現しているが、そのレベルではない。日経の中国好きが垣間見えて興味深い)。
ただし、テスラの7月における日本販売は317台であり、確かに接近はしてきている。
輸入BEVは苦戦必至
日本は言うまでもなく、世界的自動車メーカーが集結しており、大多数は国産を購入する。
そもそもが輸入車市場が大きくない。
さらにBEVに関しては、充電インフラなどの整備が追いついておらず、輸入BEVは苦戦が必至。
中国現地では、「日本でもBEVに関する政策に動きがあれば、着実に日本に根を張り始めているBYDは先行できる可能性がある」としているが、全く不透明だ。
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