迫りくる南海トラフ地震と首都直下地震、そして富士山大噴火。地震予測のプロが警告する「3つ連動の可能性」

 

過去に多く起きている南海トラフ地震と首都直下地震の連動

8月8日に発生した地震の震源となった日向灘といえば、南海トラフ地震における想定震源域の、もっとも西の端に位置するエリア。

「東海地震・東南海地震・南海地震を総称した呼び名である南海トラフ地震ですが、東南海地震に関しては1944年に「昭和東南海地震」が、また南海地震は1946年の「昭和南海地震」が直近では起きており、いずれもそれから約80年が経過。さらに東海地震は1854年の「安政東海地震」から170年が経っているなど、南海トラフには相当なストレスが蓄積していると考えられます。今回の日向灘での地震が、それらのストレスに刺激を与えた可能性は高いでしょう」

いっぽうで、日向灘の地震が起きた翌日の8月9日には、神奈川県西部などで最大震度5弱の揺れが観測される地震が発生。この地震の震源だが、1923年に発生した「関東大震災の震源にほど近く、今後起こるであろう首都直下地震の想定震源の一つとされているエリアだ。

首都直下地震のほうは、前回が「関東大震災」で、その前が1703年の「元禄地震」ということで、およそ200年から300年に一度のペースでM8クラスの地震があるのですが、その合間にM7やM6クラスの地震はちょくちょく起きている。「関東大震災」からはすでに100年経過してますし、それだけにM7クラスの地震はいつ起きてもおかしくない状況にまでストレスをため込んでいると思われます」

このように、日本列島を襲う大地震としてかねてから懸念されている南海トラフ地震や首都直下地震は、周期的にみてもいつ起きてもおかしくない時期をいずれも迎えているわけだが、JESEAではこれらの地震が連動して発生する可能性も無きにしもあらずだと考えているようだ。

「過去の事例を紐解くと、869年に東北地方の太平洋岸で「貞観地震」が起きたのを皮切りに、その9年後の878年には首都直下地震である「相模・武蔵地震」が発生し、さらにその9年後の887年には南海トラフ地震の「仁和地震」が立て続けに起きたことがあります。

また時は移り、1854年に「安政東海地震」と「安政南海地震」が起こった際には、その翌年に首都直下地震の「安政江戸地震」が発生。そして1703年の首都直下地震「元禄地震」の4年後には、南海トラフ地震の「宝永地震」が発生と、南海トラフ地震と首都直下地震というのは昔から連動することが多いんです」

さらに過去の事例ということでいえば、これらの巨大地震に富士山の大噴火が連動してしまうといった、ある意味で最悪の展開となるケースもかなり多いという。

「先ほどの「貞観地震」の時には、その2年前に富士山の大噴火が発生しています。また「元禄地震」の際には噴火こそなかったものの、その35日後に鳴動を起こしていますし、その後の「宝永地震」の際には、49日後に宝永の大噴火」が起きているんです」

さらに直近だと「東日本大震災」の際にも、直後に富士山の周辺で震度6強の地震が発生しており、大地震と富士山の活動に何らかの関連性があることは、もはや疑いようがないといったところのようなのだ。

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