大地震と富士山の噴火がセットで起きる可能性を想定した備えを
実際、富士山周辺における具体的な異変ということでいえば、このところ富士山エリアにある電子基準点において、その方向がてんでバラバラな水平変動が現れるといった現象が起きているとのこと。
こういった現象は、火山のマグマだまりが浅いところにある伊豆大島や三宅島、さらに桜島周辺などでは、普段からよく見られるというのだが、橘田さんによれば富士山周辺において、これだけ多くのバラバラな水平変動が現れたというのは、かれこれ10年以上地殻変動のデータを分析しているなかでも稀なことだという。

メルマガ『週刊MEGA地震予測』2024年8月21日号より、東海地方のピンポイント予測。伊豆半島や太平洋岸、富士山周辺および紀伊半島に方向がバラバラな水平変動が現れており不安定だと報告していた
さらに、大地震の前触れとされる地表の沈降が、このところは日本全国に広がっている状況なのだが、今年8月に入ってからは、静岡県の伊豆半島や太平洋伊沿岸、また富士山周辺において、前週比で1㎝以上沈降する地点が集中して現れるなど、その異常ぶりが特に顕著だということ。
先の日向灘地震の前にも、同じような現象が九州地方で現れていたということだが、静岡エリアでの異変となれば南海トラフや相模トラフはもとより、やはり富士山の活動にも影響を及ぼす可能性が大ということで、非常に気になるところだといえそうなのだ。
そんな富士山だが、過去の噴火に一定した周期性は認められないものの、前回の大噴火である「宝永の大噴火」からはすでに300年以上が経過しており、かなりの量のマグマが蓄積されていると考えられる状況。
「仮に富士山が噴火し、大量の火山灰が首都圏に降り注ぐ事態となれば、火山灰はガラスの粉ですから喉や肺をやられる人が続出するでしょうし、火山灰が地表に積もれば農作物への被害も甚大なことに。また鉄道や道路などの交通網にも影響が出て、それらが数週間、あるいは数か月麻痺するようなこととなれば、日本経済が立ち行かなくなることも考えられるなど、大地震やそれに伴う津波などよりも、さらに大きな実害が出る可能性があります。
それだけに皆さんには、南海トラフや首都直下地震といった大地震だけを警戒するのではなくて、それにくわえて富士山の噴火もセットで起こるかもしれないといった、いわゆる最悪のケースも想定したうえで、日頃の備えを行って欲しいと訴えたいですね」
文・取材/芳村篤志
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JESEA地震科学探査機構は2013年1月17日に設立した地震予測を行う民間会社。 村井俊治東京大学名誉教授と世界最高の研究機関と称される中国科学院出身の郭広猛博士がリモートセンシング技術を使って地殻変動、電磁波、インフラサウンド、地磁気、噴出ガスなどを捉え、5件の特許技術によって短期予測と中期予測を行なっています。 短期予測は「ピンポイント予測」として約1か月以内の予測、中期予測は地殻変動から3か月~6か月先の予測を行ないます。ピンポイント予測の的中率は*71.4%です。 *2022年に発出したピンポイント予測の的中率
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image by: ETOPO1, Global Relief Model / public domain









