キャバクラならぬ「ガバクラ」で日本国民のデータがAmazonに筒抜け。悲惨な「デジタル敗戦」を招いた“戦犯政治家”の名前

 

キャバクラならぬ「ガバクラ」が抱える大問題

とはいえ、マイナカード問題など実は序の口で、河野大臣はさらにとんでもない大きなトラブルを生み出しつつある。

キャバクラならぬガバクラ――中央官庁と地方自治体の全行政情報を統合してクラウド上で運用するガバメント・クラウドの中核的なプラットフォームの運用開始が1年半後の25年度末に迫っているというのに、全国1,741自治体の1割に当たる171(と言っても20の政令都市の全てと東京都の10の特別区を含むので全人口の約半分に当たる)地域がシステム移行に間に合いそうにないばかりか、中央省庁の1,100のシステムも200程度までしか移行出来そうにないとされている。これも、マイナカードの場合と同じで、現場の実情を無視した机上の空論で期限を決めて上から押し付ければ「なんとかなるだろう」という、幼稚としか言いようのないやり方で推し進められてきたためである。

しかも、自治体側で移行しなければならない業務は次のような基幹的なものばかりの20分野である。

  1. 住民基本台帳
  2. 選挙人名簿管理
  3. 国民年金
  4. 戸籍
  5. 戸籍の附票
  6. 固定資産税
  7. 個人住民税
  8. 法人住民税
  9. 軽自動車税
  10. 子ども・子育て支援
  11. 就学
  12. 児童手当
  13. 児童扶養手当
  14. 国民健康保険
  15. 障害者福祉
  16. 後期高齢者医療
  17. 介護保険
  18. 健康管理
  19. 生活保護
  20. 印鑑登録

これだけの分野でそれぞれなりのやり方で長年に渡り積み重ねられてきた情報を、政府の定めた標準化フォーマットに適合するよう改変するのは並大抵のことではなく、自治体側とその地方における発注先には致命的に人材が不足している。またそのためのコストも膨大で、政府としては各種の助成金を用意してはいるけれども、それでカバーし切れるものではない。

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