その経済手腕を巡っては毀誉褒貶相半ばする竹中平蔵氏。かつて小泉純一郎氏とともにさまざまな意味で「大胆な手」を打ってきた竹中氏を、総裁選を戦う進次郎氏がブレーンに迎えるとの情報も伝えられているようです。今回のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』では元国税調査官で作家の大村大次郎さんが、そんな竹中氏がこれまで日本経済にどのような「悪影響」を与えてきたかを詳細に解説。その上で、「今だけ金だけ自分だけ」という風潮を作ったのは竹中氏の経済政策にほかならないとして強く批判しています。
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※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:竹中平蔵氏の経済政策は何がダメだったのか?
進次郎と組んで日本経済を破壊か。竹中平蔵が純一郎と犯した大罪
もうすぐ自民党の総裁選が行われますね。
あの小泉純一郎氏の息子である小泉進次郎氏が、総裁選に出るという事で話題になっています。
そしてこともあろうに、小泉進次郎氏は、経済政策のブレーンとして竹中平蔵氏を迎え入れることを公約にしているのです。
竹中平蔵氏は、ネットでは相当に嫌われており、「日本に貧困と格差をもたらした」と認識されています。
が、まだ竹中平蔵氏のことをよく知らない人も世の中にはたくさんおり、また小泉内閣の経済ブレーンだったので「有名な偉い経済学の先生」と思っている人も多いようです。
なので、前回からの続きでもありますが、竹中平蔵氏はどんな経済政策をした人なのか、その経済政策の何がダメだったのかを、今一度確認したいと思います。
竹中平蔵氏の経済政策の最大の失敗は、「日本の雇用を壊したこと」です。
竹中平蔵氏はかねてから「日本では正規雇用者をなかなかクビにできない」「だから雇用の流動化が進まない」と主張していました。
現在も、このことは変わらずに主張しています。
そして竹中平蔵氏は、この主張に沿った経済政策を行なったのです。
派遣労働関係の法律を大幅に変えて、非正規社員を激増させたのです。
その結果、日本ではまともに働いても食っていけない、いわゆる「ワーキングプア」が激増し、国民の間に深刻な経済格差が生まれたのです。
竹中平蔵氏が言うように、「日本では正規雇用者をなかなかクビにできない」「だから雇用の流動化が進まない」というのは事実ではあります。
日本の労働法では、欧米などに比べて正規雇用者はなかなか解雇できません。
それが企業にとっては負担になっている部分も確かにあります。
が、その一方で、日本では「正規雇用」じゃないとまともに食っていけないという現状があります。
失業保険は原則として最長1年です。
失業して1年経てば何の補償もなくなるのです。
これ以上の生活保障を受けようとなると、非常にハードルの高い生活保護しかないのです。
欧米諸国では、こんなことはありません。
欧米諸国では失業保険と連動して様々な生活扶助制度があります。
どうしても職が見つからない場合は、生活保護につながる制度もあります。
だから欧米諸国では失業率が高くても、自殺率などはそれほど高くはありません。
しかし、日本では失業がそんまま生活破綻につながりやすいので、リストラが行われると自殺率が跳ね上がるのです。
だから日本ではバブル崩壊以降、自殺率が跳ね上がり、小泉内閣の時代もずっと高止まりしていました。
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