大企業優遇で中小企業は切り捨て。進次郎がブレーンに迎える竹中平蔵に完全破壊される日本経済のお先真っ暗

 

予想通りの単なる「投資家に対する大減税政策」に

しかし小泉内閣の時代の平成16年4月に投資事業有限責任組合法は改正され、中小企業だけではなく、上場された大企業にも投資できるようになったのです。

中小企業への投資という建前は失われ、投資組合の性質は、投資会社と同じようなものになったのです。

その一方で、投資組合に税金はかからないという特権は残されました。

「中小企業の資金調達のため」という当初の目的は完全に失われ、ただの「投資家に対する大減税政策」になってしまったのです。

もちろんこういう法改正があれば、中小企業に向かおうとしていた資金は、大企業に流れます。

そして機転の利く投資家たちは、こぞってこの投資組合を作りはじめました。

村上ファンドやライブドアが投資組合を作っていたのも、このためです。

なぜ、この改正が行われたのかというと、小泉内閣が行ってきた規制緩和、投資家優遇政策の一環ということです。

そして投資組合というのは、税法の抜け穴をついたものです。

企業が投資を行ったり他企業の買収を仕掛けて利益を得た場合、多額の法人税がかかります。

しかし投資組合を使えば、この多額の法人税を払わずに済むのです。

村上ファンドやライブドアは企業買収で、数千億、数百億の利益を上げました。

普通の企業だったらその半分は税金でもっていかれます。

でも投資組合には、税金がかからないので儲けた金をそのまままた次の投資に使うことが出来たのです。

投資家の税金を大幅に安く。小泉政権の「株主優遇制度」

またこのメルマガでも何度か触れましたが、竹中平蔵氏は、投資家の税金を大幅に安くしました。

以前、株主配当の税金は、他の所得と同様に累進課税制度になっており、多額の配当をもらっている人は、他の所得の人と同様に多額の税金を納めていました。

しかし、小泉内閣の時代の2003年の税制改正で、「どれほど多額の配当があっても所得税15%、住民税5%の税率だけでいい」ということになったのです。

しかもしかも、この安くなった投資家の税金を、小泉内閣はさらに引き下げました。

時限的ではありますが、2003年から2008年までの特別措置として投資家の税金は本来の半分の10%に免除されました。

また特定の期間に株の売買をした場合、税金をかけない、という時限立法も作りました。

つまり、投資家は一定期間、所得税が免税されたのです。

株主優遇制度はそれだけにとどまりません。

これも小泉内閣時代の2002年に、商法が改正され、企業は決算が赤字でも配当ができるようになったのです。

それまでは各年の利益から配当が払われるのがルールだったのですが、この改正により、その年は赤字でも、過去の利益を積み立てているような会社は、配当ができるようになったのです。

このため、会社は赤字でも毎年配当をすることができるようになったのです。

この結果、上場企業は、株式配当を激増させ株価も上昇しました。

小泉内閣の時代というのは、投資家天国の時代だったのです。

竹中平蔵氏の経済政策というのは、人々の生活を豊かにしたり、中小企業にチャンスを与えることで経済を着実に成長させようというのではなく、手っ取り早く大企業の業績を上げ、株価を上げることで、経済が良くなったように見せかけるというものです。

だから小泉内閣の時代には、トヨタなど史上最高収益を上げた企業が続出し、「いざなみ景気」と呼ばれ、好景気の史上最長記録を更新したりもしましたが、国民の平均賃金は下がりっぱなしで貧しくなるばかりで、中小企業は減少し続けていたのです。

最近ネットでよく言われる「今だけ金だけ自分だけ」という風潮をつくったのは竹中平蔵氏の経済政策だと言えるのです。

次回は、竹中平蔵氏の経済政策のもう一つの特徴である「アメリカ様優遇政策」について追及したいと思います。

(メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2024年9月16日号より一部抜粋。全文はご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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