仕事の合間にできる…低くなった「自己肯定感」を一瞬で回復させる方法

2024.10.09
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「自己肯定感」という言葉は、近年教育の分野にとどまらず、ビジネスの世界でも重要視されるようになっています。実は自己肯定感の高さは常に一定ではなく、状況によって上がったり下がったりすることもあるんだとか。そこで心理カウンセラーであり自己肯定感の第一人者である中島輝さんに、ビジネスパーソンと自己肯定感の関係についてお話を伺いました。仕事の合間に実践できる、簡単で効果的な自己肯定感のリカバリーテクニックを学んで、日々の業務に活かしてみませんか?

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自己肯定感を高めれば承認欲求の呪縛からも解放される

自分が自分であることに満足し、価値ある存在として受け入れられる感情のことを差す「自己肯定感」。人生を前向きに歩んでいくうえでのカギとなるものとして、年々注目度があがっているこの概念だが、そのいっぽうで日本人はこの自己肯定感が、欧米諸国の人々と比べてかなり低いと取沙汰されることも多い。

そんな日本人にとって圧倒的に足りないとされる自己肯定感だが、それを高めるためのトレーニング法やテクニックを世に伝える第一人者として精力的に活動されているのが、心理カウンセラーの中島輝さん。中島さんは日本人の自己肯定感が低い要因のひとつとして、ここ数十年の日本の経済的状況も大きいのではと話す。

「仕事をしていても、好景気の時代だと成果に結びつきやすかったり、新しい企画を発信しても採用されやすかったりと、他人から認めてもらえる機会が多くなるので、感情も前向きになりやすく、ポジティブでプラス思考な人が増えていきます。しかしここ数十年の日本は、バブルが弾けた後はずっと景気が悪く、そうなると仕事もなかなか成果が出ず、新しい企画も通らなかったりする。

さらに成果が上がり評価される人と、そうではない人とで二極化するような状況が出てくると、人によっては妬み嫉みといったマイナスの感情が膨らんで、ネガティブな思考へと向かっていくこともあります。そういう風にして、どんどんとポジティブマインドをすり減らしていく人が増えたことが、皆が自己肯定感という言葉に注目し始めるという、最近の流れに繋がっているのかなと」

他人に認めてもらえるという状況は、人間が生きていくうえでも、とてつもなく大きなエネルギーになるということで、誰もがそれを大いに願うもの。いわゆる「承認欲求」と呼ばれるものだが、ただ中島さんによれば、それを満たしたいという気持ちが強くなりすぎるのは、逆に自己肯定感が低くなっている状況であるとのこと。

「特に70代以上といった高齢になるほど、承認欲求は強くなるんです。人間には食欲・睡眠欲・性欲といった基本的な欲求があるといいますが、歳を取るとあまり寝なくてもよくなるし、子孫を残そうという気も無くなるので、そういった欲求は無くなっていきますが、その代わりに食欲と承認欲求はすごく残る。

高齢者の施設に講演などで伺うと、そういった年代の人から「誰かに認めてもらえた」とか「ありがとうって言ってもらえたのよ」っていった話がしきりに出てきますし、また逆に自分の息子やその奥さん、あるいは看護師さんなどに対する愚痴話とかも多かったりするのですが、そういうのも「自分の言い分を認めてもらいたい」っていう気持ちが、根底にあるがゆえですからね」

ただ高齢者に限らず、他人から自分のことを褒められたり認められたりするという機会を得ることは、リアル社会ではタイミング的にもなかなか合うことがなく難しいというのが実際のところ。そういった状況が最近のSNS上において、承認欲求を満たそうとする人々が増えている一因と言えそうなのだが、中島さん曰くそんな時に暴走しがちな承認欲求を埋めるためにも、自己肯定感が大事になってくるという。

自分で自分のことを褒めてあげることが、まさに自己肯定感なんですね。自分で自分のことを「大丈夫」だとか「いける」とかって言ってあげたりして、自己肯定感を高めていくと、自己承認という形で自らの承認欲求が満たされていく。そうするとSNSに頼らなくても良くなるわけです」

いっぽうで、先ほども話にあがったような他人に対しての妬みや嫉みといった感情も、自己肯定感のコントロールによって解消されるという。

「そもそも妬みや嫉みがどのような状況で生まれるのかっていうと、やはり一番最初は比べてしまうことだと思うんです。他人と比べて自分のマイナス点を見てしまうことで、自己肯定感ぐっと下がってしまうと。でも自己肯定感を高める取り組みをしていると、自分と他人を比べた時に変に落ち込んだり嫉妬することなく「自分の強みとかってまだあるよな」という風に、肯定的な側面を見ることができるようになるんです。

マイナスな自分にばかり焦点を当てるんじゃなく「自分の生き方はこうなんだし」といった、しっかりとした自分軸を作って生きていく、そしてそんなあるがままの自分を受け入れるといった方向性で自己肯定感を高めていくと、他人への妬みや嫉みといった感情はなくなっていきます」

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自己肯定感の第一人者が辿った壮絶な半生

このように、現代人が抱える様々な病巣といったものを解消する手だてとしても、自己肯定感を高めることが非常に効果的だというのだが、そう語る中島さんが自身の人生のなかで、自己肯定感という概念と向き合い始めたのは、幼稚園の年長だったわずか5歳の頃だという。

造り酒屋を営んでいた両親が多忙を極めていたため、幼少期より親戚である里親夫婦に預けられていたという中島さんだが、実の子どものように可愛がってくれたというその里親が、事業失敗による借金苦が原因で突然失踪。その年頃にとってはあまりにもショッキングな出来事が、大きなきっかけとなったというのだ。

「大切な存在だったその人がいなくなった瞬間、普通なら泣いたり悲しんだりするものなんでしょうけど、あまりの衝撃でその時に自分のなかで確立されたのが「自分は人に愛される資格がなくて他人に迷惑をかける存在だ」というアイデンティティでした」

生きていること自体が迷惑をかけていると思い込み、これ以上誰にも迷惑かけていかずに生きていくにはどうすればいいのかと、幼いながらも思索しはじめたことが、後から考えると自分と自己肯定感との関りの端緒だったのでは振り返る中島さん。

「どうすればそういったアイデンティティが自分の中で違うものに変えれるんだろう、どうすれば他人を信じられるようになるんだろう、どうすれば自信つけられるんだろう……。自分が生きていく術として、そんなことばかりを考えざるを得なかったんですが、30代半ばに至るまで続いたそういった試行錯誤の連続が、自己肯定感を高め保つためのメソッドを体系化することにも繋がることになりました」

小学生の頃には幻聴や幻覚といった精神的な不調をきたすようになり、さらにその後の学生時代には円形脱毛症、不安神経症、強迫観念、躁鬱などの症状も現れるも、他の人にはそんな苦悩をなかなか打ち明けることもできす、一人抱え込んでいたという中島さん。

さらに大学を出た後に継いだ家業は、バブル崩壊で多額の借金を抱えるなど危機的な状況で、精神的な病と戦いながら会社存続のために奮闘する最中、ついにはパニック障害まで発症するに至る。

そんな壮絶な人生を歩むなかで、中島さんが抱える様々な困難を理解する数少ない存在だったのが、K社長という中島さんの幼少期からの家族の友人だったという人物。優しい言葉や時には叱咤激励を交えながら、常に支え見守ってくれたというこの方のことを、中島さんは命の恩人だと語るのだが、その人物が亡くなったことが精神的な立ち直りのきっかけとなったという。

「ガンになって急に亡くなったその方の社葬に、当時はパニック障害で外出もままならない状況のなか参列したのですが、自分のことをずっと見守ってくれていた存在が亡くなってしまった事実に直面したことで、それまでは自らを愛される資格がなくて迷惑をかけてばかりのダメな人間なんだと思っていたのが「人間って、たった一人でも承認してくれる人がいれば、生きていけるんだな」って思うに至ったんです。

自己肯定感を高めるためには、小さな成功体験をひたすら繰り返していくというのがセオリーなんですが、それこそ5歳のころから続けてきた心のなかでの試行錯誤で、それが積み重なっていたところに、恩人の死というインパクトの大きい出来事が重なったことで、自分のなかで何かがスパークしたという感じでしょうね。自分の居場所作ってくれていた人が亡くなったのだから、これからは自分がそういう存在になりたい……この時そう願ったことが、今の活動の原点となっています」

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ビジネスパーソンにも求められる自己肯定感の知識

こうして心理カウンセラーとしての道を歩み始めた中島さんだが、これまでに自身がメンターを務めたクライアントの数は、ゆうに1万5000名を超える。そのなかには上場企業の経営者も多く含まれるなど、最近ではビジネスの世界でも自己肯定感という概念が、大いに取り入れられつつある状況だ。

「自己肯定感をどう取り扱うのかという視点が、このところはビジネスの世界でも重要なテーマとなりつつあります。社員の自己肯定感というものは、低すぎるのはもちろんダメですが、かといって高すぎると「アレをやりたい、コレをやりたい」と収拾がつかなくなってしまうので、実際Google社などでは、自己肯定感を適度な高さにいかに抑えるかということにも取り組んでいるといいます。

社員らが会社が掲げるパーパスに沿う形で効率的に動いてもらうため、いかに自己肯定感の上げ下げを巧みにコントロールしていくかというのが、今後マネジメント側に求められるひとつの能力となっていきそうです」

直接対面してのカウンセリングやセミナーといった手段だけでなく、数多くの著作や自身のYoutubeチャンネル、さらには毎日配信しているメルマガなどを通じて、自己肯定感に特化したトレーニング技術を日々伝えている中島さん。

自己肯定感を自在にコントロールできるようになるためには、持続型のトレーニングを日々行い、何事にもブレない自分軸を育むことも大事だということだが、そのいっぽうでその場その時の状況で低くなってしまった自己肯定感をパッと一瞬で回復させる、いわゆる瞬発型のテクニックも数多くあるという。

「仕事の合間のちょっとした時間にでもできることが、すごくシンプルなんですが空を見るってことなんです。何かに行き詰まったら空を見る、メンタルがマイナスになったなと思ったら空を見る、と。自己肯定感が低くなっている状態だと、どうしても自分の視野が狭くなってしまうので、その視野をグッと広げてあげて心に幅を持たせてあげるためにも、空を見ることはとても有効なんです。

あとは姿勢を正して深呼吸するだけでも効果はありますし、また先ほども伝えたように、自分で自分にいい言葉を言ってあげるというのもおすすめ。その際は「上手くいく」「できる」とか「なんとかなる」っていう風に、断定的に言い切ってあげるのがコツです。

自分の感情のマネジメントやコントロールっていうと、一見難しそうにも見えますが意外とシンプルなもの。まずは今の3つぐらいを覚えていただいて日頃実践するということから、自己肯定感を高める取り組みを始めるのもいいかな、と思います」

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【著者】 中島輝 【発行周期】 日刊

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