ホンマでっか池田教授が家庭菜園を続けて気づいた、マリーゴールドを植えることのメリット

 

ところで、「ガブリエル」は日本デルモンテアグリが開発したパプリカの品種ということで、生でそのまま「ガブッ」と食べて味の違いが分かるところから、そう名付けたということだが、「ガブリエル」は聖書では「神の言葉を伝える天使」で、最後の審判の時にラッパを吹いて死者を甦らせる役を担うとされている。パプリカの品種名に使うのは余り相応しくないと思うのだけれどもね。

一番害虫にやられないのは、トウガラシ、ラッキョウ、それと野菜ではないがマリーゴールドである。トウガラシは茎にホオズキカメムシが付くくらいで、他に大した害虫はいない。ホオズキカメムシはメスが卵塊を産んで、そこから孵化した幼生が集団で暮らすので、時々、トウガラシやパプリカの茎に20匹位まとまって付いていることがある。虫の嫌いな人はぎょっとする光景だと思うが、私は全部素手で獲って、踏み殺してしまうので、何ということもない。イモムシも毒のないケムシも全部素手で獲るのが一番楽である。新芽にべっとりと付いているアリマキも素手で擦れば簡単に退治できる。殺虫剤など使う必要はない。

ラッキョウは他では知らないが、この辺りでは全く害虫が付かない。6月に前年植えたラッキョウを掘り出すと、3~5個の大きめのラッキョウが出てくる。その中で一番立派な粒を残して、8月の終わり頃に植えて、次の年の6月頃に掘ると、また同じように3~5粒のラッキョウが採れる。その年は見送って2年目に掘ると、10粒以上のラッキョウが採れるが粒はずっと小さい。これをエシャレットと称して売っているが、一粒のラッキョウを植えて2年間放置しておくだけだから、買うのは勿体ない。辛子味噌やマヨネーズをつけて、生で食べると旨い。

フランスにはエシャロットという野菜がある。食べ方も同じで、見てくれもよく似ているが、エシャレットはラッキョウでエシャロットはタマネギの品種である。もっとも、ラッキョウもタマネギもヒガンバナ科ネギ属なので、元々よく似ているのだ。マリーゴールドは野菜の傍に植えておくと害虫除けになるというので、パプリカやトマトの脇に植えてあるのだ。コンパニオンプランツと呼ばれている。確かに、傍の野菜にはアリマキは付かないし、マリーゴールド自体を食べる虫も見かけない。

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