今年は庭に来る蝶が少なかった。毎年、サンショウの葉上に必ず見かけるアゲハやクロアゲハの幼虫も全くいなかったし、ホトトギスに付くルリタテハの幼虫も見なかった。夏が暑すぎたということもあるのかもしれないが、ネオニコチノイド(殺虫剤)の影響も大きかったのではないかと思う。何度も書いているが、ネオニコチノイドは人間には比較的毒性が強くない農薬だが、昆虫に対しては猛毒で、近年この農薬が頻繁に使われ始めてから、昆虫が激減した。今年、害虫が比較的少なかったのもそのせいかもしれない。
害虫に変わって猛威を振るったのは害獣である。自宅は東西を山に面した地に建っているので獣が結構出没する。タヌキ、ハクビシン、ニホンアナグマ、ニホンザル、イノシシ、イタチは自宅の庭や近所で見かけたことがあるので、確実に棲息していると思う。クマとシカはまだ見ていない。シカは高尾山にはすでに入り込んでいるので、そのうち自宅周辺にも出現すると思う。
かつてタヌキにカキを、サルにエダマメを食われたことがあった。やっと赤くなってきた大玉トマトを、見事に全部食われたこともあったが、犯人は分からなかった。大玉トマトは獣に食われてしまうので、今年は作りたくなかったのだが、かつての教え子が苗をくださったので、試しに植えてみたのだ。順調に育って、3個ほど収穫したまでは良かったのだが、一番立派に育って、明日の朝が収穫時だと思っていた大玉が、朝起きてみたら消えていたのだ。下を見ると、食われた残骸が落ちている。タヌキかハクビシンの仕業だなーーー(『池田清彦のやせ我慢日記』2024年10月11日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください、初月無料です)
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