萩生田氏に新たに降って湧いた「非公認なのに2000万円」問題。同氏は動画で反論したが、有権者はその説明をどう受け止めたのだろうか?一般層と保守系インフルエンサーの間には大きな温度差があるようだ。
「正直申し上げてありがた迷惑な話」萩生田氏が自民党執行部とメディアに反論
「裏金2728万円」の萩生田光一・前自民政調会長に、新たに降って湧いた「2000万円疑惑」。裏金問題の“けじめ”として、衆院選で自民非公認となったにもかかわらず、萩生田氏が代表の党支部に自民党本部から2000万円が支払われていたことが発覚した経緯は、10月23日の記事でお伝えしたとおりだ。
萩生田氏はテレビの取材に対して、「やっぱり大変ですよ、非公認って。『やっぱり悪い人なんだ』ってダメ出しをされたような印象を与えられてしまうので」と“みそぎ選挙”の苦労を語っていただけに、より一層、有権者の怒りを買うことになった。
だが、そんな状況を黙って見ている“八王子の番長”ではない。萩生田氏は24日、しんぶん赤旗ほか各紙が報じた自身の“新たな裏金疑惑”について、「報道されるまでまったく知らなかった」との反論を行った。
自民党本部からの政党交付金について pic.twitter.com/cJnFwF584c
— 萩生田光一事務所【前衆議院議員・東京24区】 (@officeofhagiuda) October 24, 2024
それによると、国民の税金を原資とする政党交付金2000万円は、萩生田氏が代表を務める支部の専用口座に、選挙公示翌日の10月16日付で振り込まれた。事前連絡はなく23日に報道されるまで気づかなかったという。萩生田氏は、この資金は今回の選挙費用に使っていないとしたうえで、「突然、このような資金を振り込まれても、正直申し上げてありがた迷惑な話」と自民党本部の姿勢を批判。さらに「このような報道自体が迷惑な話」だとして、メディアの報道姿勢もけん制した。
一般層と保守系インフルエンサーの間に「大きな温度差」
萩生田氏の反論は、有権者が納得するかどうかはさておき、いちおう日本語としての意味は通じる内容となっている。はたして世論はどう反応するのだろうか?
「すごいです、萩生田さん。これが逆ギレの高みなんですね。エセ保守界隈の名だたるインフルエンサーたちが、Xで次々に萩生田さんを擁護しはじめました。数々の差別発言で知られ、安倍元首相や萩生田氏の寵愛を受けてきた杉田水脈さんは、この動画さえ見れば萩生田さんがまったく悪くないことがわかると謎の太鼓判。また、お笑いから政治ネタに逃げ、いまや関西を代表する“知の巨人”として存在感を示しているほんこんさんも、萩生田さんは自民党執行部の罠にハメられた、との見立てを披露して全力擁護に回っています」(政界ウォッチャー)
たしかに、石破総理周辺による“旧安倍派潰し”という線は考えられなくもない。が、それにしても“萩生田応援団”にはアレな人々が目立つ。もう少し一般層の感じ方、モニターの意見が知りたいところだ。
そこで、あらためてSNSや掲示板を幅広くチェックしたところ、交通事故で言うところの過失割合9対1のレベルで、萩生田氏に対する批判が高まっている状況が見えてきた。
《裏金がバレてから言い訳しても誰も信じないでしょ》
《赤旗に指摘されないと入金に一生気づかなかったってコト?》
《八王子民にとってはあなたのほうが迷惑なんですがそれは》
《また「誤解」した国民のほうが悪いの流れ来る?》
《2000万円もの振込を知らなかったわけがないだろ》
《もし本当に知らなかったなら国政に関わる能力がないってこと。どっちでも詰んでる》
《動画を見てもぜんぜん納得いかなくて草。杉田水脈は何を見たんだよw》
《いまだに萩生田とつるんでるようじゃ杉田も終わりだろうな》
《萩生田を擁護してるアカウントに統一教会の話を振ると完全スルーされる》
《ここ数年で学習したんは、ほんこんさんの逆がたいてい正解ってことやで》
選挙直前、最後の金曜日にこの状況はさすがに厳しい。萩生田氏は居丈高な反論で自ら墓穴を掘ってしまったのではないか。もっとも、イチかバチか“逆ギレ”して見せるくらいしか、もう打つ手はなかったのかもしれないが――。
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