選挙は「生殺与奪の権」を楽しむゲーム。白票デマにご用心
さて、衆院選はいよいよ次の日曜、27日投開票だ。今回の選挙では多くの“裏金非公認議員”が厳しい戦いを強いられ、落選の瀬戸際に立たされている。
各紙の情勢報道によると、自公が過半数を維持するかどうかは微妙なライン。このような状況では、投票日直前までデマやフェイクニュース、怪文書の類が飛び交う“空中戦”が起こりやすい。そのため、有権者は支持政党に関係なく、騙されないように注意が必要だ。
「今回は、ある候補があと一押しで逃げ切れる、あるいは逆転できるという選挙区が非常に多くなっています。このような状況では、郵便ポストに出所不明のチラシが投函されたり、最近だとSNSで根拠のないデマが拡散されたり、ということがしばしば起こるんですよ。これに騙されないようにするため、あらかじめ“空中戦”は発生するもの、と心構えをしておいたほうがいいでしょう。私たちは、あくまで冷静に投票先を見極める必要があります」(政界ウォッチャー)
さらに、信頼性が高いとされる大手ニュースサイトやテレビ番組でも、“デマ”に近い情報が発信されることがあるという。特に気をつけたいのが、『白票を投じて、政治家たちにノーの意志を突きつけよう』といった趣旨の情報だ。
「選挙区に支持したい候補がいない場合は、投票用紙に何も記入せず、白票を投票しよう。そうすれば政治家たちは、自分たちがいかに国民から信頼されていないかを痛感して反省することになる。白票も立派な意志表示なのだ――今回の選挙期間中、このようなメッセージを伝えるテレビ番組やニュース記事をいくつも見かけました。でも、結論からいえば、これは100%真っ赤なウソです。白票で政治家は反省など絶対にしません(笑)。むしろ『何をされても文句は言いません』という白紙委任状になってしまいますので、くれぐれも騙されないように注意が必要です」(前同)
誰とは言わないが、日頃ウソばかりつく国会議員が、白票ごときで反省するタマではないというのは容易に想像できる。ただ、単にそれだけでなく、この白票キャンペーンは選挙戦略の1つとして展開されている節があるという。
「選挙の投票率が下がれば、宗教や組合の組織票を多く持つ候補者が有利になります。それを見越して、一部の連中は実質的な投票率を下げるために、無党派層の人々に白票をオススメしてまわるわけです。でも、国政選挙というのは本来、『自分が応援したい候補者に票を投じる』以上に、『コイツだけは絶対にダメだ』という候補者をいかに落選させるかの頭脳ゲームです。国会議員のセンセイも選挙に落ちればただの人。だからこそ議員の椅子にしがみつき、選挙期間中だけは必死で支持を訴えるわけですが、接戦であればあるほど“生殺与奪の権”は私たち有権者が握っているわけです。見方によっては、こんなに面白いゲームはありませんので、ぜひ白票ではなく、知恵を絞って投票先を決めていきたいですね」(前同)
多くの人が日曜夜の開票速報に一喜一憂するくらい投票率が上がるなら、それにこしたことはない。白票ではなく「清き一票」を投じれば、誰でもこのゲームを楽しむことができる。
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image by: 萩生田光一 公式YouTube









