内容構成はフレキシブルに
この選挙戦はいわゆる裏金問題から始まりました。
国民民主も他党同様、序盤の選挙戦ではこれが主な主張でした。
しかし選挙戦が進むにつれ、国民が最終的に求めているのは批判ではなくいかに国民生活を良くするかという「政策」であると玉木氏は気づいたと言います。
そこで主な訴求内容を「自民批判」から「政策」へとシフトし、話す内容の順番を変更していったのです。
聞き手が何を求めているのか? ニーズ、さらにはシーズを敏感に突き止めそれに応えて発信する。
この点がまず、今回の国民民主の選挙における「プレゼン戦略」が当たった理由の1つでしょう。
自分ごとにできるキャッチブレーズ
2つ目の成功の理由はなんといっても「手取りを増やす」シンプルでわかりやすい言葉キャッチフレーズにしたこと。
訴求点を1つにしたワンイシューにしたことも勝利の要因ですが、さらに言葉選びにおいて3つの秘密が隠されています。
1)給料や収入を増やす、ではなく「手取り」
手取りという飾り気のない言葉をそのままストレートに表現したことでリアルな生活を表現でき聞き手への訴求力を高めています。
2)「手取り」の背後にあるもの
手取りと表現することで、背後にある税制、税金、またその仕組みを作った組織、ひいては今の政治に対するアンチテーゼも感じています。この点も、人々の心に響いた理由でしょう。
3)「増やす」というポジティブな行動
増やしていくというポジティブな矢印は未来の明るさが感じられます。
そして、実行するという党側の意志も感じられます。
一方でいうと自民は「ルールを守る」といったようなキャッチフレーズでしたね。
攻めと守りの点では、まさに「守り」ですから、パワーが内向きな印象も。
尚且つルールを守ることはそもそも社会生活では当たり前のことであって、現時点で国民に何らかのベネフィットとなる表現ではない、という印象がありました。
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