横浜DeNAの日本一と米ドジャース優勝は似ている。実は「やればできる」は実験で証明されていた

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プロ野球の日本シリーズは、セ・リーグ3位のDeNAが26年ぶりの優勝を果たし、日本中の野球ファンを沸かせました。メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』の著者で健康社会学者の河合薫さんは、この劇的な勝利の原動力は「やればできる」だと分析。その威力は実験でも証明されているとして、実例をあげながら「人の可能性」について紹介しています。

「やればできる」は本当か?

今回は「人間の底力」についてあれこれ書きます。

久しぶりに日本シリーズが盛り上がりました。パ・リーグを「勝ち越し42」で制したソフトバンクを、セ・リーグ3位のDeNAが破り、日本一に輝いたのです。ジャイアンツファンとしては複雑な心境ですが、DeNAの戦いっぷりはあっぱれ!実にお見事でした!

特に最終戦は面白くてこれまた久しぶりに「チャンネルザッピング」の手が止まり、最後まで見入ってしまいました。

その強さの原動力となったのが「やればできる!」です。

三浦監督は一貫して「(スタッフも含めた)全員で!」を強調し、「気持ちで!」勝負すること重んじてきました。

日本シリーズでは、ソフトバンクの主砲山川選手を15打席無安打に抑えられたのも、チームのデータアナリストと捕手の暗黙知の合作に、チーム全員の「気持ちで!」が掛け合わされた結果だとか。

三浦監督の話を聞いていると、MLBドジャースととても似ているのです。

ワールドシリーズ5戦で、ヤンキース側の連チャンの凡ミスを決して逃さず5得点に成功しましたが、そこに存在したのも「やればできる!」。

ドジャースのアナリストが選手たちに「ヤンキースは基礎よりも才能を重視しているチーム。守備や走塁の技術は低い」と伝え、すべてのチームメンバーが「勝つために自分のやるべきこと」に集中したのです。

レギュラーシーズン中に主力選手が欠け、チームメンバーが「気持ちで!」踏ん張ってる姿は中継でも伝わってきました。ロバーツ監督は、地区優勝でも、リーグ優勝でも、ワールドシリーズ制覇でも、「スタッフも含めた全員で勝った!全員に感謝!」「こんなに精神的にタフなチームはない」と毎回全てのメンバーを労い、彼らの決して折れないマインドを称賛しました。

結局のところ、AI、データの時代だからこそ、人の気持ちが不可欠。AIと人の力を最大限に生かすことが、さまざまな側面で大切なのです。

「やればできる!」の威力は、アバターを使った「ダンベル実験」でも証明されています。

VRに「自分のリアルな姿」が映っている時、ダンベルを58秒間上げることができた人が、ガリガリのやせっぽっちのアバターにするとたったの22秒しか上げられなくなり、逆に筋肉もりもりのマッチョなアバターにすると、なんと1分12秒も上げられたのです。

マッチョの自分ならまだまだいける、やればできる!と信じられた。だからこそ「潜在能力」を発揮するスイッチがオンになり、普段の実力以上の結果につながった。

真の精神主義=やればできる!とは、他者から強要されるものではなく、自分を信じてこそ実現できることを科学的が証明したのです。

バブル崩壊以降、日本企業は「人」を見ず「カネ」だけを見て「人=コスト」としてきましたが、今こそ「人の可能性」を信じてほしいです。

三浦監督やロバーツ監督のように・・・。

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