危険な本。カルト宗教の教祖たちがどんな「言葉」を使って信者を洗脳してきたのか説明しよう

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昨今、新興宗教の領域を超えた「カルト宗教」と政治の問題が世間を騒がせていたします。そもそも、なぜカルトは多くの人々を狂信的な「信者」に洗脳させることができるのでしょうか? 今回、無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』著者・土井英司さんが、今まで取り上げてきた本の中で5本の指に入る「危険な本」として、カルト宗教の教祖たちがどのような言葉を使ってきたかを明らかにした画期的な一冊です。世界中のカルト教祖にとっては「隠したい不都合な本」なのかもしれません。

【人を魅了し、狂信させる力】⇒『カルトのことば』

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カルトのことば
アマンダ・モンテル・著 青木音・訳 白楊社

こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、BBM史上、5本指に入る危険な本。

カルトが人々を魅了し、狂信させる力の源泉を言葉に求め、カリスマ指導者たちがどんな言葉を使っているのかを明らかにした、注目の一冊です。

著者のアマンダ・モンテル氏は、ニューヨーク大学で言語学の学位を取得した作家で、本作『カルトのことば』(原題『Cultish Cult』)が米国で高評価。

2023年には自身のポッドキャスト「Sounds Like A Cult」がiHeartRadio Awardで最優秀新進ポッドキャスト賞を受賞しています。

本書では、過去に凄惨な事件を巻き起こした問題カルトから、現代のMLM(マルチレベルマーケティング)まで、あらゆるカルト的組織を分析。

指導者たちの言葉遣いと信者たちに使わせていた言葉の共通点を明らかにしています。

1978年に900人を超える信者の集団自殺が起きたことで知られるジョーンズタウンの指導者ジム・ジョーンズ、同じく38人が自殺したUFOを信仰する世界終末論者の団体「ヘヴンズ・ゲート」の指導者マーシャル・アップルホワイト、性的暴力で訴えられて米国から逃亡したビクラム・ヨガの創始者ビクラム・チョードリーなど、さまざまなリーダーたちが登場し、彼らの言葉の特徴を明らかにしています。

もし読者が「カルトは洗脳するから」「心の弱った人間につけ入るから」などと考えているなら、それはあまり正確ではありません。

カルト語の「3つの働き」やそれがどう信者たちの認識を変えるのか、仲間からの圧力などを知ることなしに、カルトの力は語れないのです。

人間は、言葉によって大きな集団を作り、偉大なことを成し遂げてきたので、言葉そのものは重要ですが、時にそれが間違って使われることがある。

本書を読んで、その危険性を理解すれば、健全な組織とそうではない組織の違い、健全なリーダーとそうでないリーダーの違いがわかると思います。

そして本書を読むリーダーの方は、くれぐれも悪用しないようにお願いします。

健全に使えば、良い意味で人々を束ね上げる「力」になるノウハウです。

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