収まる気配のない闇バイトたちによる強盗事件。警察も目を光らせ、世間でもこれだけ話題を集めているにも関わらず、いまだに事件が発生してしまう現状について、メルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』の著者である多田さんは、組織的犯罪の経験値が浅い強盗グループであるという見方を示しています。それは一体なぜなのでしょうか?
一連の強盗事件を、プロが「組織的犯罪の経験値が浅い強盗グループ」と見ている理由
お金に困ったシニア層が闇バイトに応募している実態についての記事をまとめました。
● 60代、70代のシニア層も闇バイトに応募している実態 あなたの親は大丈夫? #専門家のまとめ (Yahoo!ニュース エキスパート 多田文明)
だいぶ若者への注意喚起が徹底されてきたので、誰よりも長く闇バイト募集の実態をみてきた者として、注意喚起として欠けている部分についての話をして、オーサーランキングでも全体(総合)で1位になり、多くの方に関心をもってもらえたことはよかったです。
闇バイトを集めるリクルーターは、若者の実行犯が手に入らないとなると、中高年を積極採用する可能性がありますので、犯罪者が行おうとすることに対して、先手を打つ必要があります。
闇バイトに関しては、10数年前から、直接に闇バイトの募集に電話をするなどして、テレビ番組(特に、TVタックル【テレビ朝日】など)などで注意を促してきて、ようやくここにきて、社会全体で関心をもってもらえました。
旧統一教会問題もそうでしたが、問題への対策を取られるまでには、本当に長く時間がかかることを感じています。
2020年に発生した点検強盗なみの行き当たりばったりの犯行ゆえの注意点
一連の強盗事件はいまだに発生し続けています。前回、話をしたように、このところは侵入をしても、高齢者以外にも家族が同居しているなどの理由で、強盗に失敗するケースが多く、これは下見などの事前調査を十分に行っていないためだと思われます。もっといえば、多くの住民たちが事前に行われる下見行為に関して警戒をしているために、それができなくなっている状況ともいえます。これ自体は良いのですが、もう一つの懸念も出てきています。
それは、お金のあるなし、高齢者が一人でいるか否かなどは考えずに、あたりかまわず家に押し入る懸念です。
2020年に起こった「電気、ガスの点検です」と業者を装って押し入る点検強盗がまさにそうでした。点検といわれて、ドアを開けた家や都営の集合住宅に入り込み、現金やキャッシュカードをとっていきました。もちろん、ここでは縛る手口が使われていますが、下調べがないので数万円しか取れないケースもありました。
今後は、そうした、手当たり次第に押し入る強盗がより出てくる危険が出てきていますので、どの家が狙われるかわからない状況です。いずれにしても、従来の防犯対策をしっかりして、身を守る必要があります。
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