増える闇バイト強盗事件。犯罪分析のプロが明かす「指示役にたどり着く最後の鍵は●●●だ」

 

組織的犯罪の経験値が浅いグループとみる理由

一連の強盗グループの特徴をあげるとすれば、引き際の悪さです。

組織的強盗は奪い取れるお金の当りハズレが大きく、本来、特殊詐欺をしていた方が、効率的、継続的に多くのお金が取れるはずです。しかしそれができない事情もあって、強盗をしている可能性があります。
本来、お金が取れない状況と思えば、強盗という手法を取ることをやめて、別な形で効率よくお金取る方向にシフトするのが、これまでの犯罪グループの傾向でした。しかしこの強盗団は闇バイトで募集した実行犯らを使い、失敗してもいまだに強盗を繰り返しています。引き際の悪さをこのグループに見ています。

そう考えると、比較的詐欺などの犯罪行為の経験値の浅たちが構成したグループであろうことが推察されます。

被害金の回収役(妻)の仕事を斡旋した人物(夫)が逮捕されていますが、詐欺グループに深く関与してきた者ほど、報復などを恐れて口を閉ざす傾向にあります。また、強盗の実行犯を集めたリクルーターも逮捕されましたが、この人物はあくまでも闇バイトで募集された、使い捨ての存在のリクルーターなので、そう簡単に、指示役にたどり着かないことが考えられます。今後は、スマホの解析がカギになると思います。

不正にSIM契約をさせる、闇バイト組織の報酬シュミレーション公開

特殊詐欺でもそうですが、今回の強盗事件でも指示役が実行犯らに連絡する際に足のつかない飛ばしの携帯電話(スマホ)を使っているはずです。いかに、犯罪のツールの根を絶つかが、詐欺や強盗事件を減らすためのカギになります。

そこで、
● 強盗事件の裏にいるもう一つの存在 「犯罪に使われることは一切なし」闇バイトと思わせない道具屋の手口 (Yahoo!ニュース エキスパート 多田文明)
の記事をアップしました。

嬉しいことにその5日後の11月8日に、NTTコミュニケーションズが注意喚起を行ってくれました。

● 特殊詐欺のコミュニティで行われている活動について – NTT Communications Engineers’ Blog

すぐに大手の携帯会社が、特殊詐欺で行われる「SIMカードの販売」などの手口へ掲載には、感謝に堪えませんーーー(『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』2024年11月14日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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悪徳業者などへの潜入取材した数は100ヶ所以上。数々の現場経験と被害者への聞き取り取材から、詐欺・悪質商法に詳しいジャーナリストとして一線で活動し、多数のテレビ・ラジオに出演している。現在はヤフーニュースのオーサ・公式コメンテーターとして、コメントやニュース記事を執筆中。消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」(2017年~18年)の委員も務めた。雑誌「ダカーポ」にて、悪徳商法に誘われたらついていく連載を担当。それをまとめた著書「キャッチセールス潜入ルポ~ついていったらこうなった」(彩図社)はフジテレビで番組化され、ゴールデン枠の特番で第8弾まで放送された。新刊11月予定「信じてみたら、ダマされる。~元統一教会信者だから書けたマインドコントロールの手口」(清談社清談社Publico)

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