以前の記事で「外国人向けに成功したお茶の体験型イベントをコーヒーでも活用したい」というお悩みに答えた人気コンサルタントの永江一石さん。その回答を見た同じ質問者さんから、また追加で質問が届いたようです。永江さんは自身のメルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の中で、その質問にもベストな回答を届けています。
1杯1,500円の高級コーヒー販売戦略とは?
Question

11月6日号で「お茶の体験型イベントをコーヒーでも活用できるか」の質問をした者です。ご回答拝見しました、ありがとうございます。質問の趣旨ですが、街の喫茶店が嬉野茶のビジネスモデルを参考にすることができるかどうか? できるとすればどんな方法がありうるか?といったものでした。
ご回答通り、ただ日本茶を売るというだけだと難しいです。実際に1杯1,500円するコーヒーをどうやって売るべきか?についてアイデアご教授いただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。
永江さんからの回答
高価格のコーヒーを売るには、一言で言うと「ストーリー」をどう見せるかがポイントです。
というのも、高い商品には必ずストーリーがあるから。例えばエルメスのバーキンは、元々馬具を作っていた会社であるエルメスが、その技術を活かして作った高品質なバッグというストーリーがあります。
以前ブログにも書きましたが、上級消費者はモノではなく体験を買うんです。(この場合の上級消費者とは、ある程度自分の物欲を満たせる余裕のある人を指す)こういう人たちは「必要だから買う」の「必要」が、「生活に必要」ではなく「自分の満足度を高めるのに必要」なわけですね。
他にも高級な居酒屋さんには「北海道噴火湾のヒラメ」とか「青森のマグロ」とかきちんと産地が書かれていますよね。安い立ち飲み屋には「刺し身」としか書かれてない。これがストーリーの差です。
ではコーヒーショップでどうやってストーリーを作るかというと、この豆がどこで採れて、どうやって育てられて、何が他と違って特別なのか。これをはっきり説明できないと高く売れません。例えば「ほとんど日本に入ってこない希少な豆です」というだけで少し興味が出てきませんか?
気をつけないといけないのは、ストーリーが間違った方向にいかないこと。例えば「フェアトレードコーヒーです」や「オーガニック100%です」と書かれていても美味しいとは限らないですよね。わたしたちが求めるのは「なぜ美味しいか」というストーリーなんです。
または「バリスタがブラジルのコーヒー大学で10年修業しました」とかも説得力があります。もっと良いのは数字で説明できること。焼きいもでも「糖度◯度のとろける甘さ」などとPRしている品がありますが、コーヒーだって「旨味成分が通常の◯倍」「コクが◯%増加」など、具体的な数字があれば最高です。
まとめると、高いものを売るには「その価値を納得してもらうストーリー」が必要だということ。単においしいだけじゃない、その価値を伝えられるストーリーがあれば、一杯1,500円のコーヒーでも十分売れると思います。
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