あなたは、自分が働くことの意味について考えたことはありますか? お金や家族のため?会社を維持させるため?それとも…。無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』では著者の土井英司さんが、自分のために働くことについて考えた「仕事論」のベストセラー本を紹介しています。
【韓国でベストセラー】⇒『会社のためではなく、自分のために働く、ということ』
『会社のためではなく、自分のために働く、ということ』
チェ・イナ・著 中川里沙・訳 日経BP
こんにちは、土井英司です。
タイトルを見て、「自己中心的な考え方だな」と初見で思ったのですが、じつはものすごい良書。
韓国の大手広告代理店・第一企画の元副社長でコピーライター/クリエイティブディレクター、さらにはサムスングループ最初の女性役員になったという、チェ・イナ氏による仕事論です。
タイトルと中身が違うのは、当然。
じつは本書の原題は、『私が手にしているものを世界に欲しがらせなさい』(韓国語はすみません。わからないので省略します)というものです。
著者は、コピーライター/クリエイティブディレクターとして、多くの企業・サービスをブランド化してきた方ですが、本書では、読者個人をブランドにする働き方・生き方を提示します。
- それぞれの職業にはそもそも追求すべき意味があり、その分野で働く人はその意味に合った役割を果たすから尊敬される
- 異なる業種に携わることになっても、どんな能力を発揮すべきなのかをイメージできれば、以前の仕事と無関係ではなくなる
- 引き受けた仕事は大小にかかわらず間違いなくやり遂げること。一人では仕事が回らない世界で「あの人とやればうまくいく」という信頼を得ること
- 私たちが投げかけなければならないのは、「私の差し出す価値がいまも魅力的か?」という問いだ。答えがノーなら、革新しなければならない
ひとしきり仕事論が語られた後、「頑丈なブランドは、頑丈な実体の上につくられる」という本質が語られるのですが、読者はこの辺で背筋がピンと伸びると思います。
「私が顧客なら、私というブランドを選ぶだろうか?」という問いは、自分ブランドで食べて行こうと思う人全員に刺さる問いだと思います。
言葉の専門家である著者が選ぶ名言や、著者自身の巧みな比喩、実業家の教訓・エピソードなども登場し、豊かな読書体験になること間違いなし。
久しぶりに良い仕事論に出合いました。