<アルコールとメタボリックシンドローム>
メタボリックシンドロームに関わる高血圧・高脂血症(脂質異常症)・高血糖には、お酒の飲みすぎが関与している場合が多数見られます。
そのためメタボリックシンドロームの予防および治療には、「節度ある適度な飲酒」として、成人男子では1日平均2ドリンク(純アルコールで20g/日本酒換算約1合)程度までとし、さらに週に2日間の休肝日を入れることが大切です。
<アルコール性肝炎と非アルコール脂肪性肝炎>
アルコール性と非アルコール性、ふたつの肝炎の組織像は類似しており、肝臓内の酸化ストレスなど共通の発症メカニズムが研究されています。
両者とも進行すると肝硬変や肝臓癌に至ります。
アルコール性肝炎は常習飲酒家で大量飲酒後に発症し、救命率の低い重症型アルコール性肝炎もあります。
アルコール依存症が背景にある場合はその専門治療が必要です。非アルコール性脂肪性肝炎は、過食・運動不足・肥満・糖尿病・脂質異常症などに伴う脂肪肝を背景として発症します。
<アルコールと高脂血症>
血液中の脂質が基準値を超えてしまうことを高脂血症といいます。
アルコールが関係する高脂血症は中性脂肪(トリグリセリド)とHDLコレステロールの増加です。
飲酒時の摂取エネルギーを減少させれば基準値にもどる可能性もありますが、アルコールの代謝そのものに伴う脂質代謝異常もからんでいる場合は、飲酒コントロールを行うことも必要です。
この記事の著者・江部康二さんのメルマガ
image by: Shutterstock.com









