日本の石破政権が真っ先に「沈没」か?狂乱化が止まらぬ米国トランプから“最初の被害”を受ける国の名前

 

単純な事実を理解できぬ人物を大統領に選んでしまった米国民

国別の粗鋼生産量をみても、中国(1位)・インド(2位)・ロシア(7位)・ブラジル(11位)のBRICs4カ国合計は、G7のいわゆる旧先進7カ国合計の5.0倍。BRICS加盟国のイラン(12位)・エジプト(20位)・サウジアラビア(22位)・南アフリカ(34位)・UAE(41位)まで加えてBRICS9カ国合計とすればG7の5.3倍である。

これだけを見ても、トランプが「〔暗い夜道に?〕気をつけろ」と言っても、それで恐れ入るような世界ではなくなっているのに、ご本人だけがそのことに気付いていない「裸の王様」状態であることがよく分かるだろう。

それでも買収を阻止するというなら、USスチール社はそれが中国の脅威から米国の鉄鋼業を守る「唯一の手段だ」と言い切っているのだから、トランプは「いや、こうすればUSスチールと米鉄鋼業は守ることができる」と代替案を示さなけれならないが、そんなものは持ち合わせていない。

つまり「米国第一」というのは中身のない、単なる「掛け声」あるいはお祭りの「わっしょい」のような囃し言葉であって、それだけでは米国が再び「偉大」になることはあり得ない。

トランプが主張する「関税乱発」策も同じ問題の構造で、中国に対する追加関税60%とかメキシコの自動車に200%以上とかを実施すれば、確かにその分、輸入には歯止めはかかるだろうが、だからと言ってすぐに国内でそれを穴埋めするだけの製造業が育ってくるはずもなく、困るのは米国の企業や消費者である。代替策の用意なしに目先の出る杭を打って見せるだけではそうなるに決まっている。

フランスの皮肉屋の文明批評家=エマニュエル・トッドが『帝国以後』(藤原書店、2003年刊)で、

経済制裁や金融フロー中断の脅しは、もちろん世界経済にとって破滅的には違いないが、それでまず最初に打撃を受けるのは、あらゆる種類の供給について世界に依存している米国自身なのだ。

と喝破したが、それから20年経ってもまだこの単純な事実を理解できない程度の人物を大統領に選んでしまうのが米国民である。

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