高齢化が進む中、介護・福祉の重要性は高まり、必要としている人も増えています。そんな介護について、どのように相手と接すればいいのか、どんな仕事内容なのかなど、知らないことが多い人も少なくないはず。今回は、Xでも多くの共感を集める介護士歴19年のたっつんさんのメルマガ『たっつんの、介護のお悩みよりそい相談室』より、「介護の仕事をはじめたきっかけ」について一部内容を抜粋してご紹介します。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:介護の仕事を始めた時の話
老人ホームのトイレにて。
認知症で、
ついさっきのことを
忘れてしまうE美さんが
ナースコールを押してこられた。「 ちょっと汚したから
替えのパンツください 」ぼくはすぐに紙パンツを持っていき、
E美さんにお渡しすると
「 あとは自分でできます 」
と言われたので、
お任せしてトイレの前で…— たっつん (@tattsun_cw) December 2, 2024
本当にしたい仕事は何なのか?
ぼくが介護の仕事をはじめたのは29歳の時です。結構、遅いほうなんじゃないかなって思います。
それまでは、“ひとつのところで正社員で働くだけではもらえないくらいの金額を稼がないといけない” という家庭の事情があって、アルバイトをかけ持ちしては昼夜問わず働き、ほとんどの給料をお家に入れるという働き方をしていました。( わけのわからん感じのオモロい仕事もあったんで、またそれは別の機会にお話しますね )
転機になったのはその家庭の事情がなくなったことと、結婚したことでした。アルバイトのかけ持ちをそのままずっと続けるわけにはいかないし、結婚もしたので正社員になって安定した収入を得ないといけないって思うようになったのです。ですが、
ほんとにしたい仕事は何なのか?
それが全くわかっていない状況でした。アルバイトでいろんな仕事をしてきましたが、正社員になってまでやりたいことと思うようなものはありませんでした。
どうしようか迷っていた時、嫁さんのお義父さんに「介護の仕事向いてるんちゃうか?」と言われたんです。
ぼくが子どもの頃より父方のおばあちゃんと暮らしてきたことから、高齢のかたとの関わりが慣れているんじゃないか?という思いからくる助言だったそうです。 これ以前に、母方のおじいちゃんを自宅で介護していたこともあり、( たしかに向いてるかもわからんな )とぼくは思いました。
そして、翌日にはヘルパー2級の資格を取得するための講座に申し込みました。そしてその講座に通うこと約2か月。ほぼ最短ルートでヘルパー2級の資格をゲットしました!
この資格をもとにお家の近くに新しくオープンする「介護付き有料老人ホーム」の求人募集に応募。未経験ながら採用して頂くことになりました。人生で初めての正社員になった瞬間でした。
老人ホームの開設準備へ
期待と不安が入り混じる中、オープニングスタッフとして働き始めましたが、ホームの開設準備は忙しいながらもとっても楽しかったのを覚えています。これまでにいろいろな職業を経験してきたことを活かすことができたからです。
特にパソコンのスキルと、バイトリーダーをしていたことが役に立ちました。 介護部の主任さんと副主任さん以外は、若くて経験の浅い職員さんばかりだったこともあり、29歳というだけでぼくはリーダー的な役割を自然と担うようになりました。
“頼ってもらえる”ということがとっても嬉しくて、毎日の仕事にやりがいを感じていました。若い職員さんたちに受け入れてもらえたことも大きかったと思います。と同時に、実際のオープンが近づくにつれて不安が大きくなっていきました。
人の介護をするということが未経験だったからです。ヘルパー2級の講座で学び、実習に数日行っただけのぼくが通用すると思えなかったからです。
ホーム内の備品を使用する方法を何度もくり返して身に付けたり、職員同士で介護技術を練習したりなど、開設の準備期間にやれることはやってきましたが、その不安が払拭されることはありませんでした。 そうして迎えたオープン当日。
介護士のぼくにとって初めての入居者さんがホームに来られました。ぼくはそのかたにいきなりの洗礼を浴びることになるのですが、それはまた次回のお話。
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(メルマガ『たっつんの、介護のお悩みよりそい相談室』2025年1月12日号より一部抜粋。全文をお読みになりたい方は初月無料のお試し購読をご登録ください)
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